口の乾燥が健康にもたらす影響 ~歯ぐきを守って口臭を防ぐ方法~
口の中が乾燥するってどういうこと?
口の中が乾燥するということは、口を湿らせている唾液が少なくなっていることを意味します。口の中にはたくさんの細菌が存在します。唾液には洗浄作用があり、口の中の健康に悪影響を及ぼす細菌が増えないように防ぐことで健康を守ってくれています。
汚れがたまってくると、細菌が増えやすい環境になります。さらに唾液が減ることは、口の中の細菌が増えていくことを意味するのです。
乾燥が原因で歯ぐきが下がる!?
歯みがき粉や歯ブラシのコマーシャルで、“歯周病”という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。この歯周病は、歯ぐきや歯を支えている骨などの歯周組織に発生する病気です。
歯周病になると、やがて歯ぐきが下がるので歯が長くなったように見えたり、知覚過敏を引き起こしたりする原因にもなります。さらに悪化すると、歯ぐきが腫れたり、歯を支えている骨が溶けてグラグラしたりするようになります。
歯周病の原因は、“歯周病菌”と呼ばれる細菌です。口の中が乾燥して唾液が少なくなると、細菌が増えるので歯周病を引き起こしやすくなります。
やがて口臭の原因にもなる
口の中は細菌だけでなく、食べカスなどいろいろな汚れでいっぱいです。乾燥すると、これらの汚れも洗浄されず、歯ぐきにこびりついていきます。もちろん、汚れの中にも細菌はたくさん存在します。
新鮮な酸素が届かない歯と歯の隙間や裏側では、酸素を嫌う“嫌気性細菌”が増加。この嫌気性細菌は強い臭いを発するので、口臭の原因の1つとなります。
口臭以外にも、口の乾燥は歯周病を悪化させる原因でもあるので、歯周病によって歯ぐきの腫れが悪化し、歯ぐきに膿がたまると、そこからも臭いが発生するようになります。このように口の中の乾燥は、細菌を増やし口臭を生じさせる原因になります。
口を乾燥させない4つのポイント
口の中の乾燥を防いで、健康を守るためにはどうすればいいのでしょうか?乾燥予防のための4つのポイントを紹介します。
ポイント1:口呼吸をやめる
本来呼吸は鼻でするものです。口で呼吸をすると口の中が乾いてしまいます。口で呼吸するくせがある方は、鼻から息を吸うように注意しましょう。
ポイント2:マスクをする
外出するときは、マスクをするようにしましょう。乾燥した空気にさらされにくくなるので、お口を乾燥から守ってくれます。
ポイント3:ガムを噛む
ガムを噛むと唾液腺が刺激されて唾液が分泌されます。虫歯予防に効果があるガムがおすすめです。
ポイント4:保湿ジェルを使う
日ごろから口の中が乾燥するドライマウスの方は、保湿ジェルを使ってみてください。チューブに入った保湿ジェルを1cmほど指先にとって、1日3回ほど口に塗るだけです。スプレータイプもありますので、使いやすい方を選ぶことをおすすめします。
口臭を防ぐためにはとにかく口の中を乾燥させないことが大切
口が乾燥すると、歯周病や口臭の原因になることがおわかりいただけたと思います。乾燥を防ぐために、口で息をしている人は鼻から息を吸うように。さらに外出の時にマスクをつけて感染防止を心がけるべきでしょう。
これからの乾燥シーズンは、特に意識して口の健康に気を遣っていきましょう。