「ゴシゴシ磨く」「朝食後に」「歯磨き粉はたっぷり」は全部NG!ダメな歯磨き習慣を見直そう!
【ダメ習慣その1】歯磨きの回数が多すぎる
「磨けば磨くほど歯は美しくなる!」と思って実践している方は多いのではないでしょうか?2015年発表のオウチーノ総研とライオン株式会社が共同でリサーチした「オーラルケアに関するアンケート調査」によると、1日に何回歯磨きをするか?という設問の回答で1番多かったのが「2回」でした。「4回以上」と答えた人は890名中4.7%という結果が出ています。
1日にそれこそ4回以上も歯磨きする磨き過ぎは、実は歯にとってあまりよくありません。その理由としては、表面を覆っている「エナメル質」によって歯に虫歯菌がつきにくくなっていますが、毎日の食事による酸によって溶けて傷つきやすくなります。そこに何度も歯ブラシで磨いてしまうと、さらにエナメル質を削りとってしまうこともあるのです。
すると、エナメル質が薄くなってしまった歯に虫歯菌が付着し、虫歯になりやすくなります。よかれと思ってやっている磨きすぎは、逆効果になり得ることもあると覚えておきましょう。
【ダメ習慣その2】朝の歯磨きは食後と決まっている
「朝に歯を磨くタイミングは起床後ですか?それとも朝食後ですか?」と質問したら、「朝食後に磨く」という方が多いかと思われます。しかし、朝の起きたタイミングでの歯磨きが実は推奨されているのです。
睡眠中は唾液の分泌量が著しく減るため、口腔内の細菌が爆発的に増殖して、とても不衛生な状態にあります。つまり、起きた直後の細菌が増殖してできた歯垢だらけになっており、それが起床後の強い口臭も関係しているのです。
そのため、起床後はご飯を食べる前に歯磨きをするのがベストになります。どうしても食後に磨きたいという方であれば、起床時にうがいをするだけでもお口の中の菌にアプローチすることはできます。朝一の口腔ケアをより意識するようにしましょう。
【ダメ習慣その3】昼食後は時間がないので手早く済ます
忙しいという理由で、1分もしないで歯磨きを終わらせていませんか?きちんと磨くために必要な時間の目安は「最低でも3分」だと言われています。歯1本につき10~20回小刻みに歯ブラシを動かして磨いていくと8~10秒ほどかかります。永久歯がすべて生えそろっていた場合28本あるので、きちんと磨くには3分ほどは時間がかかるでしょう。
どうしても時間がない日中には、歯の表面の食べカスを取る目的でマウスウォッシュを使うことをおすすめします。また、歯間を掃除するデンタルフロスも効果的。唾液は口腔内の細菌を洗い流し清潔に保つ役割を持つため、歯間に詰まった歯垢を取り除くことで唾液が歯全体に行きわたりやすくなり、自浄作用アップにつながります。
【ダメ習慣その4】歯磨き粉をたっぷりつける
市販の歯磨き粉には、泡立ちをよくする発泡剤や清涼感を与えるミントなどが含まれています。たっぷりと歯磨き粉をつけて磨くと、口腔内が泡だらけになり、ゆすいだ後のミントの爽快さも相まって、しっかり磨けたと満足しがちです。しかし、きちんとブラッシングができていなければ、歯磨き粉をたっぷりつけてもあまり意味がありません。
では、歯磨き粉の適量とはどれくらいなのでしょうか。目安は「歯ブラシの毛先1/3くらい(小豆大)」とされています。過剰な泡立ちやミントの清涼感に惑わされる“磨いた気になる”ことを防止するため、歯磨き粉を使わずに正しいブラッシング方法のみで、歯垢を取る磨き方をすすめている歯科医師もいます。大事なのは歯磨き粉を使うことではなく、きちんと歯の汚れや歯垢を除去することなのです。
【ダメ習慣その5】歯ブラシの交換をしない
歯ブラシは毎日使うものであり消耗品なので、定期的に新しいものと交換することが望まれます。特に意識せずに2~3ヶ月もずっと同じ歯ブラシを使っているとしたら、なるべく早く好感しましょう。
毛先がバサッと開いているような歯ブラシは本来持つ機能が弱まった状態です。ライオン歯科衛生研究所、日本小児歯科学会報告会が発表したデータによると、毛先が開いたブラシは汚れを落とす力「歯垢除去率」が約4割も減ってしまうとの結果が。(新しい歯ブラシの歯垢除去率を100とした場合)
交換の目安は1ヶ月です。見た目が真新しく見えても「もったいない」と思わずに、交換してください。
NG習慣を見直して正しい歯磨きを!
歯磨きは毎日の習慣がゆえに、ついつい惰性になりがち。そのため、思い込みや勘違いによる不適切な磨き方で歯の健康に悪影響を及ぼしては本末転倒ですよね。歯磨きのタイミング、力加減やゆすぎ方などをもう一度見直して、正しい歯磨きを実践してきましょう。
「正しく磨けているか自分では判断しにくい」「子どもにちゃんと歯磨きを教えてあげたい」という悩みをお持ちなら、歯科医師に相談することをおすすめします。専門家に歯の健康と歯磨きの重要性、ベストな磨き方を指導してもらえば、トラブルを未然に回避できます。定期的な検診を受ければ、自宅でのケアでは落としきれない汚れにも対応できるでしょう。