ライオンが提唱する30代からの歯周病ケア 「システマ」ブランドリニューアルの狙い
《セミナー内容》
2018年2月14日(水) セルリアンタワー東急ホテル
『システマ』オーラルケアセミナー
・はじめに ~30代からの歯周病ケア~
ライオン株式会社 オーラルケア事業部 ブランドマネージャー 大塩繁生
・現代女性のプチ不調
ライオン株式会社 快適生活研究所 ヘルスケアマイスター 芳賀理佳
女性の歯周病の実際とケア方法
(公財)ライオン歯科衛生研究所 東京デンタルクリニック 歯科衛生士 政井美南海
「システマ」ブランド 新製品紹介
ライオン株式会社 オーラルケア事業部 ブランドマネージャー 大塩繁生
30代に入ると歯周病にかかる割合が上昇
システマのオーラルケアセミナーでは、まず30代の歯周病に対する意識の現状についての説明から始まりました。30代がフォーカスされる理由としては、人間の免疫機能は20歳前後にピークを迎え、以降は徐々に低下していくため。30代に入るころには感染症のリスクが高まる傾向にあるそうです。歯周病も、そんな感染症の1つとして挙げられます。また、その他の感染症と比べ歯周病が恐ろしいところは、自覚症状がなく進行していく点でしょう。
実際、2011年に厚生労働省が実施した歯科疾患実態調査によれば、30代の約8割が歯周病に罹患しているというデータがあるにもかかわらず、ライオンさんが2017年に35~49歳の人を対象に調査した結果では、歯周病を自覚しているのは3割程度と非常に少数でした。また、半数が「歯周病を知らない」と回答しており、歯周病に対する意識が非常に低いことが判明しています。
いくつもの不調が重なりやすい30代は不調のデパート
ライオン株式会社でヘルスケアマイスターを務める芳賀理佳さんによれば、女性にとって30代は歯周病だけでなく、いくつもの不調が重なる年代とのこと。ライオンさんが2014年に15~79歳までの女性4300名を対象に「気になる症状」「症状への対処法」「日常習慣」などを調査したところ、「気になる症状」として挙げる項目が非常に多く、複数の症状を併発しているのが30代でした。
また、同調査で不調の98症状について「今、症状は気になっていますか?」と聞いてみたところ、30代女性の「気になる症状」ランキングは以下の結果となりました。
1位 | 肩こり(43.4%)※ |
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2位 | 体型変化(41.9%) |
3位 | 太っている・太りやすくなった(39.0%) |
4位 | 姿勢が悪い(37.8%) |
5位 | シミ、そばかす(35.1%) |
※( )内は「非常に気になる」「かなり気になる」と答えた割合
外見に関わるものが多く目立ちますが、注目したいのがお口に関する症状が1つも挙げられていない点です。実際、「歯周病」は43位、「歯ぐきの腫れ・出血」は58位と、非常に低い結果となりました。ただ、歯周病については4割以上の人が「気になる」と回答しており、まったく意識がされていないわけではないようです。
30代は他に目立つ不調がたくさん出てくる年代であるのに加え、結婚や出産といったライフイベントが満載の時期でもあるため、なかなかお口周りのセルフケアまで意識が回らないというのが実情のようです。実際、歯周病に関しては、「症状が出るまでは対処しない」と回答した人が半数にものぼりました。
女性は男性よりも注意が必要!歯周病にかかりやすい理由
歯周病は30代の、特に女性が注意する必要のある疾患です。その理由を現役歯科衛生士である政井美南海さんが解説してくれました。政井さんのお話によると、女性は人生で3度歯ぐきに危機が訪れるのだとか。原因として密接に関わってくるのが女性ホルモンです。女性ホルモンが作られ始める「思春期」、急激に女性ホルモンが増加する「妊娠・出産期」、女性ホルモンが減少を始める「更年期」は、いずれもお口の状態が不安定になりがちであると政井さんは話します。
中でも30代の女性は妊娠・出産期を迎える人が多いのに加え、キャリアアップに向けて多忙となることから、食生活が乱れがちになる人も多く、お口の環境の悪化を促進してしまっている人が多いのが特徴。それにもかかわらず、歯科医院への来院数は40代女性に比べて半数程度の数だそうです。
歯周病はセルフケア・プロケアで予防・改善が可能
歯周病には3つの「S」があると説明する政井歯科衛生士。成人の80%以上が罹患している国民病(Social disease)であり、静かに進行していく病気(Silent disease)でもあり、そしてセルフケアとプロケアで予防・改善が可能(Self-controllable disease)であるという特徴を歯周病は持っているとのことです。つまり、自身で行うセルフケアと歯科医院で行うプロケアをしっかり実行しておけば、歯周病は十分に防ぐこと、そして、症状を改善することが可能だと言えます。
ただ、歯科医師に任せておけば安心なプロケアと違い、きちんとしたセルフケアを行うには工夫が必要になります。政井さんによれば、歯周病ケアのため意識しておきたいポイントは2つ。まずは「歯と歯ぐきの境目」です。虫歯や歯周病の原因となるプラーク(歯垢)は歯の表面より歯と歯の間や歯ぐきとの境目につきやすいのだとか。こうした部分のブラッシングには小さくコンパクトな歯ブラシや薄型ヘッドの歯ブラシを使用していきましょう。
もう1つのポイントが「奥歯の奥」です。日ごろのブラッシングでは忘れがちな部分ですが、奥歯の奥は歯周ポケットができやすい部分のため、しっかりケアしておく必要があります。ブラッシングには奥まで磨きやすいコンパクトな歯ブラシがおすすめですが、毛束が1つで通常の歯ブラシでは磨きにくい場所も磨けるタフトブラシの使用も非常に効果的です。
「システマ」の新商品で歯周病ケアを!
セミナーの最後には、2018年に発売が予定されている「システマ」の新商品について話を聞くことができました。注目は、現在歯ブラシ売り上げナンバーワン※を誇りながら、さらなる改良が加えられた『システマハブラシ』です(2018年4月18日発売)。すでに高評価を得ている超極細毛はそのままで、ヘッド部分が薄型に進化。これによってお口の奥まで歯ブラシが届きやすくなり、効果的にプラークが除去できるようになるというもの。
※㈱インテージSRI 歯ブラシ市場2017年1月~12月 システマブランド 合計金額
また、音波振動によってプラークをかきだせる『システマ 音波アシストブラシ』にも、システマブラシ同様、ヘッド部分が薄型に改良されたものが4月より発売されます。政井歯科衛生士の説明にあった歯周ポケット(中でも奥歯の奥のもの)をケアするためにも考えられたアイテムを上手に使って、正しい歯磨きを心がけたいですね。
もう1つ、歯周ポケットをケアするうえで見逃せない新商品が『システマデンタルタフト 歯周ポケット集中ケア』です。システマブラシと同日に発売されるこの商品は、奥歯の奥や歯並びが悪く普通の歯ブラシではケアしにくい部分を集中的にブラッシングできるのがポイントのおすすめアイテムです。
常に高い「予防歯科」の意識を持ちながら上記のようなアイテムを使用していけば、歯ぐきを健康に保つのは難しいことではありません。いくつになっても健康な歯を維持していくため、30代に入ったら体の健康と同じくらいの意識をお口の健康にも向けていきましょう。