唾液には2種類ある!「サラサラ」と「ネバネバ」の違いとは

2018.05.28 health福本春香

唾液が分泌される仕組み

水

1日に分泌される唾液の量は1~1.5リットル。多い時はペットボトル3本分にもなると言われています。そんな大量の唾液が体内のどこから出るのか、気になりますよね。

唾液は唾液腺という部位でつくられ、分泌されます。唾液腺は口の中に何ヶ所かあり、主に分泌するのは3大唾液腺と呼ばれる耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の3ヶ所です。

それらから絶えず唾液が分泌されますが、自律神経の働きによってその性質は「サラサラ」か「ネバネバ」に分かれます。それぞれの唾液にはどんな特徴や役割があるのでしょうか。

サラサラ唾液の役割

サラサラ唾液は「漿液性唾液(しょうえきせいだえき)」と呼ばれ、副交感神経のコントロール下にあります。笑っている時やお風呂に入っている時など、リラックスして過ごしている時ほど多く分泌されます。また、おいしく食事をしている時も分泌は盛んになります。その役割は以下が挙げられます。

・食べ物を湿らせ飲み込みやすくする
・口の中の食べかすやプラークを洗い流す
・食後に酸性に傾いた口の中を中性に戻す
・アミラーゼなどの消化酵素を含み、消化吸収を助ける

サラサラ唾液には、このようにさまざまなメリットがあります。さらに口の中をキレイにする働きは、口臭や虫歯、歯周病予防にも大きな役割を果たします。そのため、できるだけサラサラ唾液が出やすい状態を保つことで、お口の健康維持ができるのです。

ネバネバ唾液の役割

ネバネバ唾液は「粘液性唾液」と呼ばれ、交感神経によってコントロールされています。そのため、緊張状態に陥ったりイライラしたりするほど分泌が盛んになります。会議や発表会などで緊張すると口の中が粘つくような感じがするのも、このネバネバ唾液が原因です。ネバネバ唾液には以下の大事な役割があります。

・ムチンというネバネバ成分で細菌やウイルスをからめ取り、体内への侵入を防ぐ
・口の中の粘膜を覆い、傷つかないよう守る
・口の中の粘膜を保湿する

ネバネバ唾液が多く分泌される状況が続くと口の中がカラカラになり、細菌が繁殖しやすくなるなどのデメリットもあります。なるべくストレスをためないようにし、ほどよいバランスを保つことが大切です。

唾液をたくさん出すために

梅干し

サラサラ唾液もネバネバ唾液はどちらの役割も大切なので、できれば常にバランスよく分泌される状態を保つことが理想的です。時にはストレスのたまる生活が続き、「口が乾燥しやすい」ということもあるでしょう。そんな時は以下の唾液が出やすくなる方法を試してみましょう。

その1:舌の運動

舌の周りにある筋肉を鍛えることで唾液の分泌が促されます。

① 口を大きく開けて舌を前後に出したり引っ込めたりします。
② 舌をできるだけ前に突き出したまま、左右に動かします。
③ 唇をなめまわすようにした全体で円を描きます。
④ 前歯の裏に舌先をあて、舌うちするように音を出します。

その2:唾液腺マッサージ

大きな唾液腺がある部位をマッサージすると、唾液の分泌が盛んになります。

① 人差し指から小指までの4本を耳下腺がある頬と耳たぶの間にあて、奥から前へクルクルと優しく回します。
② 顎下腺がある耳の下から顎先まで、顎の内側を指で何ヶ所か押していきます。
③ 両手の親指をそろえ、舌下腺がある顎の真下から舌を突き上げるようにゆっくり押し上げます。

その3:唾液が出やすくなるものを食べる

柔らかい食べ物よりも、硬く噛み応えのある食べ物を選ぶほうが、噛む回数が増えて唾液が分泌されやすくなります。また、レモンや梅干しなどの酸味があるものを食べると、口の中が刺激されて唾液が出やすくなります。

唾液は健康状態を確かめるバロメーター

バロメーター

唾液はみなさんの気持ちや環境の変化を敏感に感じとり、分泌量が変化しています。「口が乾燥しやすい」と感じれば、ストレスがたまっているサインかもしれません。そんな時は無理をせずゆっくり休養をとって、お口の潤いを保っていきましょう。

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