口の中が妙に乾燥する!ドライマウスの原因と治療法について
ドライマウスとは?
ドライマウスとは文字通り「口の中が乾燥する症状」であり、正式には「口腔乾燥症」という病気です。ドライマウスになると口がネバネバする、口臭が気になる、歯垢が増加するなどの症状が現れ、悪化すると舌がひび割れを起こしたりするなどの症状が発生します。
なお、唾液には虫歯や歯周病を予防する作用があるため、唾液の分泌量が減ってドライマウスになると虫歯や歯周病をはじめとした口の中のトラブルが起こりやすくなります。
ドライマウスの原因
口の中が乾燥してさまざまなトラブルを招くドライマウス。その原因は1つではありません。主に以下の内容が考えられます。
原因1:精神的ストレス
唾液は、副交感神経が刺激されたときに分泌されます。しかし、ストレスを感じると交感神経が優位になるため唾液の分泌量が低下し、結果としてドライマウスになります。緊張したときに口がカラカラに乾燥するのはこうした作用があるためです。
原因2:口呼吸
口や舌の筋肉が衰えていたり鼻が詰まっていたりすると、口呼吸になりがちです。また、歯並びが悪い方も口呼吸の癖を持っている傾向があります。口呼吸が習慣になると免疫力が低下する、顔がたるむ、疲労感が増す、口が渇くなどさまざまな弊害が生じます。
原因3:他の病気
糖尿病や腎臓病をはじめとして、ドライマウスを引き起こす病気はいくつか存在します。そして、その中でも注目されているのがシェーグレン症候群です。シェーグレン症候群は唾液腺や涙腺が侵される自己免疫疾患で、口や目が乾燥する、唾液腺が腫れるなどの症状が現れます。
原因4:薬の副作用
病院で処方される薬の中には、「口渇」の副作用があるものが少なくありません。代表的なものとしては、抗ヒスタミン薬や抗うつ薬、高血圧治療薬などが挙げられます。特に複数の薬を服用している場合は、副作用が出る可能性が高まります。
原因5:加齢
年を取って唾液の分泌機能が衰えると、ドライマウスになりやすくなります。また、唾液はよく噛むことによって分泌が促されるため、噛む力が弱くなることも唾液の分泌量低下につながります。
原因6:食生活
前述したように、十分な量の唾液を分泌するためにはよく噛むことが非常に大切です。しかし、最近は一昔前に比べて柔らかい食事が増えています。柔らかい食べ物はあまり噛む必要がないため、噛む回数が少ない食事ばかりしていると唾液の出る量が減ってしまう恐れがあるのです。
ドライマウスの治療法
放置することで口の健康状態の悪化を招くドライマウスですが、しっかりと治療を行うことで改善が見込めます。歯科医師との相談のもと、以下の方法を実践してみてください。
治療法1:心理的アプローチ
ストレスが原因でドライマウスになっている場合は、ストレスを軽減することが大切です。ストレスを発散できれば問題ありませんが、カウンセリングなどを利用する方法もあります。
治療法2:原因疾患の治療
ドライマウスの原因が病気である場合は、原因疾患を治療する必要があります。もし服用している薬の副作用が原因などであれば、歯科医師に相談してみてください。薬の量を変える、薬の量を減らすなどの対処が必要になる場合もあります。
治療法3:唾液腺の刺激
マッサージなどで唾液腺を刺激することで、唾液の分泌を促します。唾液分泌マッサージは自宅でも行うことができるので実践しましょう。しかし、強く押し過ぎないように注意が必要です。
治療法4:薬物療法
薬の服用によって唾液の分泌量を増やすことができます。よく処方される薬としては、塩酸セビメリンや漢方薬などがあります。
治療法5:粘膜の保湿
一時的にドライマウスの症状を改善させる対症療法として、粘膜の保湿が挙げられます。保湿剤を配合した洗口液や人工唾液、保湿装置などを使用します。
治療法6:矯正治療
口呼吸が原因でドライマウスになっている場合は、歯列矯正をして噛み合わせをよくすることで改善することがあります。また、矯正治療は歯ぎしりの改善や虫歯・歯周病の予防にもつながります。
治療法7:歯科的治療
唾液が十分に分泌されていない状態だと、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。ドライマウスの治療には時間がかかるため、治療を進めながら歯の状態もしっかりと管理することが大切です。
根気よくドライマウスの改善を
上記で紹介したように、ドライマウスにはさまざまな原因が考えられます。さらに生活習慣に起因することも多いため、一朝一夕で完治させることはなかなか望めないでしょう。そのため、気長に根気よくドライマウスと向き合っていく必要があります。
ドライマウスは病院での治療が必要な場合もありますが、生活習慣の改善で良好な状態に戻る場合もあります。まずは、ストレス発散の方法を見つける、唾液腺をマッサージするなど、できることから初めてみてはいかがでしょうか。