いびきは病気のサインかも?「睡眠時無呼吸症候群」とは

2018.06.19 healthSUE

睡眠時無呼吸症候群とは

布団から覗く女性

睡眠時無呼吸症候群とは文字通り、睡眠時に無呼吸の状態になる病気であり、英語ではSAS(Sleep Apnea Syndrome)とも呼ばれています。呼吸が10秒以上止まっている状態のことを無呼吸といい、これが睡眠時の1時間あたり5回以上、あるいは7時間に30回以上あると睡眠時無呼吸症候群だとみなされます。

睡眠時無呼吸症候群を発症すると夜に熟睡できないため、日中に眠気に襲われてしまうことがあります。また頭がぼーっとし、記憶力や集中力が低下します。さらには高血圧症や糖尿病、心疾患などの生活習慣病とも深い関連があることがわかっているなど、非常に怖い病気なのです。

睡眠時無呼吸症候群セルフチェック

チェック

睡眠時無呼吸症候群の症状がないか心配な方は、簡単なセルフチェックをしましょう。まず、以下の6つの項目に「はい」か「いいえ」で答えてください。

□ほぼ毎日、睡眠中に大きないびきをかく
□「寝ている間に呼吸が止まっていた」と指摘された経験がある
□会議中にうとうとするなど、日中に眠くなることがある
□寝ても疲れが取れず、朝起きたときに頭が重い
□若い頃に比べて体重が増えた
□メタボリックシンドロームの傾向がある

このセルフチェックで「はい」が多かった人は、睡眠時無呼吸症候群の症状がある可能性が高いと言えます。特に睡眠時の無呼吸を指摘されたことがある人は、生活習慣の見直しや医療機関での診察を受けることをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

マウスピース

睡眠時無呼吸症候群かもしれないという方は、すぐに医療機関にかかり治療を行いましょう。睡眠時無呼吸症候群における主な治療法は「スリープスプリント」「CPAP療法」「外科手術」の3つです。

治療法1:スリープスプリント

スリープスプリントはマウスピースのような歯科装具で、口に装着することで下顎をやや前方に固定させて気道を広く保ちます。そうすることでいびきや無呼吸を防ぐことができます。

スリープスプリントの魅力は、寝るときに装着するだけという手軽さです。また2004年から保険適用となったため、治療費も比較的安価です。しかしながら、症状によっては効果があまり見込めないため、重症の場合は他の治療法を選ぶ必要があります。

治療法2:CPAP療法

CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)は、鼻にマスクを装着し、空気を気道に送り込む治療法です。そうすることで喉の中のスペースを確保し、睡眠時無呼吸症候群による無呼吸状態を改善します。

CPAP療法を行うことで大多数の患者さんのいびきが改善され、日中の眠気も軽減されることがわかっています。また、重症患者に対してCPAP療法を行うことで高寿にも好影響をもたらすことが期待されているのです。ただし、CPAP療法は根治療法ではありません。効果を得るためには、毎日継続してマスクを着用する必要があります。

治療法3:外科手術

外科手術では、閉塞する部位を切り取る方法が主流です。また、最近ではレーザーを当てて該当箇所の組織を縮小させる治療も一般的となりつつあります。外科手術は誰にでも適用される治療法ではなく、体への負担もあります。しかし、外科手術を行うことで睡眠時無呼吸症候群の根治を目指すことができます。

生活習慣の改善も大切

禁酒禁煙

睡眠時無呼吸症候群の治療においては、生活習慣の改善も大切です。病院での治療と並行して、生活習慣を見直しましょう。まず、アルコールには筋肉を弛緩させる作用があるため、寝酒はよくありません。また、肥満になるとのどや首周りに脂肪がついて重くなってしまうため無呼吸が発生しやすくなります。太り気味の人は、ダイエットに励んで適正体重を目指しましょう。

寝るときの姿勢も重要で、仰向けで寝ると気道が閉塞しやすくなります。できるだけ横向きで寝るなどの工夫をしてみてください。寝る際の向きを変えるだけで睡眠時の気道が確保されやすくなります。

睡眠時の呼吸状態が気になる人はまずは診察を

睡眠時無呼吸症候群は想像以上に恐ろしい病気であり、日常生活の質を低下させるだけではなく、さまざまな生活習慣病の原因にもなります。また、眠気が原因で交通事故を起こしてしまうなど、身体面にも及ぼす影響は大きいと言えます。万が一、「睡眠時無呼吸症候群かもしれない」と思ったら、まずは医療機関での診察を受けてみてはいかがでしょうか。

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