うるさいだけじゃない!歯ぎしりによる悪影響とその対策について
歯ぎしりの種類と原因
歯ぎしりは歯科用語でブラキシズムと呼ばれ、以下のようにいくつかのタイプに分けられます。
・グラインディング……上下の歯をギリギリとこすり合わせる症状。
・クレンチング……強い力で上下の歯をグッと食いしばる症状。
・タッピング……カチカチと上下の歯をぶつける症状。
また、歯ぎしりは単なるクセではなく、以下のようないくつかの原因が合わさって症状が現れます。
原因1:ストレス
歯ぎしりの一番の原因と言われるのがストレス。普段の生活で感じている不安や憂鬱な気持ちを、寝ている間に歯ぎしりで解消していると言われています。
原因2:アルコールやタバコ
アルコールやニコチンの摂取が眠りを浅くし、歯ぎしりを悪化させると考えられています。
原因3:歯並び
歯並びが悪いと、噛みしめたときに特定の歯だけがぶつかりやすく、歯ぎしりが起こりやすいと言われています。歯の治療後に噛み合わせが変化して起こることもあります。
歯ぎしりによる4つの悪影響
朝起きた時になんとなく顎や首、肩が疲れていることはありませんか?実はその原因は歯ぎしりにあるかもしれません。歯ぎしりは以下のような悪影響をみなさんの口や体に及ぼしている可能性もあるのです。
悪影響1:顎関節症
歯ぎしりが慢性化すると顎の筋肉が疲れてしまい痛みを感じたり、関節に障害が起こったりすることがあります。すると、口を大きく開けると音が鳴ったり、顎が痛くて開けられなかったりするなど顎関節症の症状が現れます。
悪影響2:歯周病や虫歯の悪化
歯ぎしりは歯や歯ぐきに強い力が加わることで負担がかかります。すると歯と歯ぐきの隙間ができ、そこに菌が入ってしまうことで歯周病が悪化することがあります。また、歯にヒビが入ったり欠けたりし、そこに虫歯菌が入ることで虫歯が悪化することも考えられます。
悪影響3:歯並びの変化
私たちの歯は常に少しずつ動いていますが、歯ぎしりを毎日していると強い力が加わり、歯がすり減って噛み合わせや歯並びにも影響が出やすくなってきます。また、歯の治療をして銀歯やセラミックが埋まっている場合、それらが劣化しやすくなることもあります。
悪影響4:頭痛や肩こり
歯ぎしりがおよぼす影響は口の中だけではありません。歯を食いしばると顎から頭の側面へと広がる側頭筋に負担がかかります。すると、側頭筋が緊張して頭が締めつけられるような痛みが起こることがあります。また歯ぎしりによって首や肩の筋肉にも負担がかかり、肩こりを感じることもあります。
歯ぎしり対策で歯を守ろう!
歯ぎしりを解消したくとも、すぐに軽減することは難しいと言えます。しかし、日々の生活で少しでも歯への負担を減らすよう以下の対策をすることができます。
対策1:生活習慣を見直す
人が生きていくうえでストレスは切っても切り離せない存在です。しかし、あまりにも歯ぎしりがひどくて頭痛や肩こりに悩まされている時は、少し休暇をとってみたり自分にご褒美の時間を設けたりするなどいつもより体を労わってあげてはいかがでしょうか。歯ぎしりは体が出しているSOSなので無理は禁物です!
対策2:マウスピースをつける
歯ぎしりは無意識にするものなので、自分が思っているより強い力が長時間歯に加わっているケースがあります。そこでおすすめなのが歯科医院で専用のマウスピースを作ってもらうこと。普段の生活から使用することで歯や歯ぐきへの負担を軽減することも可能です。また、睡眠中に装着することで歯ぎしりの音をなくしたり、歯がすり減るのを防いだりするのも期待できます。
対策3:集中しているときほど注意する
勉強や仕事、料理やスポーツなど集中すればするほど、無意識に歯を食いしばりやすくなります。そのため、何かに打ち込むときは「リラックスしなきゃ」と一息ついて、時々意識的に口を軽く開けるなどして緊張を緩めてあげましょう。
歯ぎしり対策としてまずは普段の生活から見直しを
歯ぎしりの原因として、心当たりがある症状は何かありましたか?悪影響が出て取り返しがつかなくなる前に、しっかり対策をして口と体の健康を守っていきましょう。まずは歯ぎしりによってどんな変化が起きているのか、歯科医院で相談してみるのがおすすめです。