子どもにも「デンタルフロス」が大切な理由は?歯科衛生士が教えるフロステク~ちぃ先生の手記第90回~
フロスでケアする頻度は毎日?
子どもがデンタルフロスでケアするメリットとは
乳歯で最も虫歯になりやすいのは前歯の歯と歯の間だと考えられています。歯間の汚れは歯ブラシだけでは除去しきれないケースも多いので、虫歯の予防のために、子どもがデンタルフロスを自分で使えるようにサポートしてあげると良いでしょう。
デンタルフロスには、糸巻きタイプとロールタイプの2種類があり、ちぃが歯科衛生士の観点から提案したいのは糸巻きタイプです。常に汚れがついていない面を使用できますし、ほつれた糸が歯に挟まることも予防しやすいためです。
デンタルフロスには、ワックスがついているものとついていないものがあります。ついていないタイプはアンワックス、ノンワックスなどと呼ばれます。
そもそもワックスは、繊維を固めてフロスを使いやすくするためにつけられています。フロスは1本の糸に見えますが、実際は細い繊維をねじり集めたものです。この繊維が歯間でバラバラになり汚れを掻き出す働きをしますが、糸が千切れ歯に挟まると使いにくくなってしまうので、それを防ぐためにワックスが使われます。
子どもがフロスでケアする時のやり方とは
(1)フロスの適切な使い方
【フロスの巻き方】
まずフロスを手の甲に2回ほど巻いて切ります。だいたい30〜40cmくらいになりますので、両手の中指にクルクルと巻いてください。
人差し指をフロスに添わせて押し当て、ピンと張るように伸ばし、奥歯の清掃をします。上の前歯をフロッシングする時は、片方の親指と片方の人差し指でフロスを支えるようにして清掃しましょう。
【フロスの動かし方】
歯と歯の間にフロスを入れたら、ノコギリのように前後に動かし、ゆっくりと清掃します。このとき勢いよく奥に入れてしまうと、歯肉を痛めることがありますので注意しましょうね。
歯と歯の間の歯肉である歯間乳頭が膨らんでいる方は、そのまま2〜3mmほど奥までフロスが入りますので、痛くないところまで歯肉内も掃除しましょう。血が出ても、ザクっとした痛みがなければ続行してOKです。
(2)フロスでケアする頻度
フロスでのケアは毎日行うのが理想的です。使用するタイミングは、寝る前の仕上げみがきのときが良いでしょう。
(3)子ども用フロスの種類
手巻き用のフロスには、子供用のものが特に用意されていません。味がついているものもありますが、こちらは大人が使っても問題ありません。
ホルダータイプの場合は、子どもの小さな口に合わせて小さいホルダーのものがありますが、清掃部分も狭いことから使いにくいかもしれません。
子どもがフロスを使う時の注意点
生え変わりの時期は歯が抜けている部分があり、フロスを使うほど歯間がピッタリしていない場合もありますよね。そのときは奥歯に使える形状のホルダータイプのフロスを使って、抜けた歯の両側の歯の面を清掃するのが良いでしょう。
また子どもは好奇心いっぱいで、いろんなものを触っています。手が汚いと、ばい菌が口の中に入ってしまう恐れがあるので、フロスを使用する前に手をしっかり洗うようにしましょうね。
フロスに慣れない間は使い方が難しいと感じ、面倒だと思ってしまうことがあるかもしれません。
ですが子どものうちにフロスを使う習慣をつけておけば、大人になってからも歯間の掃除が苦にならず、歯の健康を保ちやすくなるはず。子どもには力加減を学んでおくためにも、ぜひ手巻きタイプのフロスにチャレンジさせてあげましょう。
フロスを使うと歯間の汚れを取り除きやすく、虫歯や口臭の予防につながります。親子でフロスを使用して、キレイなお口を保ちましょうね!
【ライター紹介】 ちぃ先生
歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha・no・neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。
・ちぃ先生の手記まとめPART1 ~美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋~
・ちぃ先生の手記まとめPART2 ~美容テク&お口の健康講座~