歯の色や歯並びを気にしていないのは日本人だけ?世界基準に及ばない口腔意識~ちぃ先生の手記第104回~

2020.02.04 dhちぃ先生

ハリウッドスターの多くはまず歯を治す?

日本人の口腔意識は先進国でも最低

世界のオーラルケア



日用品やトイレタリー商品メーカーのサンスター株式会社が、世界6カ国(日本、アメリカ、ドイツ、オーストラリア、イギリス、スウェーデン)の男女2,280人に「世界のオーラルケア・歯周病事情に関する調査」を行いました。

すると日本は、歯周病の認知度が97.9%あるにもかかわらず、6カ国中最もオーラルケアに時間・お金をかけない国であるという結果になりました。さらに、歯ブラシにかけるお金が少ない、歯ブラシ意外のケア用品をあまり使用しない、歯みがき粉の使用率が6カ国中で最低という現状が明らかになったのです。

ところで、皆さんは「8020運動」をご存知でしょうか?80歳になったとき、自分の歯を20本残しておこうという運動のことです。歯の先進国スウェーデンでは、80歳の方の残存歯が20本を越えています。さて、日本では何本でしょうか?

答えは10本ほど……。スウェーデンと比べると半分しかありませんが、8020運動を始めたばかりの1993年には平均3.2本ほどだったので、これでも良くなっているんですよ。

このように、少しずつ好転はしてはいるものの、日本人の口腔意識は未だに低いといえるでしょう。

日本人が歯並びを治さない主な要因は?

歯並びを治さない要因



例えば“八重歯”は、日本ではチャームポイントとして捉えられますよね。しかしアメリカでは「バンパイヤティース(吸血鬼の歯)」と敬遠されて、矯正する人も多い傾向に……。先進国の中でも、日本人が歯並びを治さない要因にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。

(1)治療費が高額

さきほど紹介した調査で、日本人はお口のケアにお金をかけない人が多いことがわかりました。“歯科治療はお金がかかる”という意識が根強いうえ、自費治療の歯科矯正は治療費が100万単位になるケースも。このような治療費の負担の大きさが、歯並びを治さない主な原因といえそうです。しかし歯科矯正は、顎の状態によって保険が適用される場合もあるため、まずはかかりつけの歯科医院に相談するのがおすすめです。

(2)通院期間が長い

治療方法によってトータルの期間は異なりますが、一般的に歯に装置をつけて歯並びや噛み合わせをケアするのに2年、リテーナーという歯の保定をするのに約3年、合計で少なくとも5年はかかってしまいます。噛み合わせの状態によってはさらに治療期間が延びることもあるので、時間に厳しい日本人には治療期間の長さがネックになると考えられます。

(3)予防の意識が著しく低い

歯並びをケアするのは審美的な理由だけでなく、機能的にも良いと考えられています。具体的には、歯磨きがしやすくなるので、虫歯や歯周病にかかるリスクが軽減します。また上下の歯でしっかり噛むことで、全身疾患の予防や小顔へのアプローチ、滑舌の見直しなどさまざまなメリットが期待できるでしょう。

しかし日本では「歯科医院には虫歯or歯周病になってから行く」という方が多いため、予防的に歯科矯正を行う方が少ないのが現状です。

好印象なスマイルは口元から

好印象なスマイル



人に好まれるスマイルは、上の歯だけが見えるスマイルだと言われています。ハリウッドスマイルとも呼ばれていて、輝くような笑顔を持つスターに見られる笑い方です。日本人は口角が下がっている方が多いですが、練習すれば難しくありません。

周囲に好印象を与えるスマイルのためには、ニコっと笑ったときに見える、歯並びや歯の色についても気にするようにしましょう。着色汚れを落とす作用のある歯みがき粉を使うなど、少しずつ口腔意識を高めていくことで、笑顔の魅力をアップさせることにつながりますよ!

オーラルケア意識


❤ちぃ先生から一言❤世界基準から見た歯科予防の大切さ

日本人がオーラルケアを重視していないことがわかる、かなりショッキングなデータでしたね。健やかな歯を守ることは、審美面はもちろん、健康な毎日を過ごすために大切なことです。毎日のケアが歯ブラシのみという方も多くみられますが、歯みがき粉やデンタルリンス、フロスなどのケアアイテムを取り入れ、今までより少しだけお口のケアに意識を向けてみてください。歯周病にかかりにくい清潔な口腔環境を作り、きれいな歯で笑顔をさらに魅力的にしましょうね!

【ライター紹介】 ちぃ先生
ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha・no・neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ~美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋~
・ちぃ先生の手記まとめPART2 ~美容テク&お口の健康講座~

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