歯周病だけじゃない!歯ぐき痩せの原因とは?

2017.03.01 health真希祥子

歯ぐきが痩せる歯周病以外の原因 主な4つ

1.強い力によるブラッシング

歯みがきする男性

歯周病以外で歯ぐき痩せを起こすもっとも大きな原因は、“強い力によるブラッシング”。「えっ! ブラッシングすると歯ぐきが痩せちゃうの!?」と驚く人も多いと思いますが、間違ったブラッシングを続けていると、歯ぐきが痩せてしまうことがあります。

よかれと思って強い力でゴシゴシブラッシングをすると、歯ぐきを傷つけ、やがて歯肉が老化し下がってしまうことがあります。また、過剰なブラッシングで歯周ポケットが広がることもあります。歯周ポケットを広げてしまうと、そこへ食べかすが溜まり、その食べカスを目当てに細菌が集まります。すると必然的に歯周病が発生しやすくなるのです。せっかく歯周ポケットの汚れをキレイにしようと思ったのに、これでは悪循環ですね。

ブラッシングで歯ぐきが広がると、結果的に歯周病の原因を作ってしまいます。適度なブラッシング圧で的確にプラークだけを除去できるように、ブラッシング方法を一度見直しましょう。歯科医院でブラッシング指導を受けてみることをおすすめします。

抜歯や加齢で歯ぐきが痩せる!?

2.抜歯をして放置する

歯抜け

抜歯後は、とくに注意しましょう。なぜなら、抜歯をした箇所を放置すると、歯ぐきの神経も働かず、血流も悪くなることから歯ぐきが痩せたように見えます。

こうなると残念ながら治すことが困難です。ほかの場所から歯肉を移植したり、結合組織を移植したりといった治療をしない限り再生することはありません。また、これらの治療を行ったとしても完全に元の状態に戻すことは不可能です。そうならないためにも、抜歯をしたら早めにその箇所の治療をしましょう。

3.加齢によるもの

老化

歯ぐきを構成している主な成分にコラーゲンがあります。コラーゲンは、タンパク質を摂ることで、体内でアミノ酸と合成されて作り出されます。しかし、このタンパク質をコラーゲンに変える力は、10代がピークでその後は減少し続けます。60代前後になるとピーク時の1/4くらいしか作ることができなくなるのです。つまり、歯ぐきは加齢と共に必ず痩せるということ。一般的には10年間に2mmという速度で老化が進むといわれています。ということは……10代を境に減少し始めたとしたら、60代には10代の頃に比べると単純に1cmも歯ぐきが痩せてしまっているという計算になります。

ちなみに、この歯ぐき痩せのスピードは、歯周病の影響を考えない場合のものです。歯周病にかかっている場合は、これよりももっと早く歯ぐきが痩せてしまう可能性も考えられます。日本人の約8割が感染しているかその予備軍といわれていることを鑑みると、誰もが気をつけなくてはならないことがわかります。

無意識にやっている歯ぎしりは、想像以上の力がかかっている!

4.歯ぎしり

しゃくれる女性

あまり知られていませんが、歯ぎしりでも歯ぐき痩せは起こります。歯ぎしりは寝ている最中に無意識に歯と歯をこすり合わせてしまうというもので、歯と歯ぐきに大きなダメージを与えているのです。

人間の噛む力は食事の場合、1kgに及ばないくらいです。しかし、実際には物を噛む力というのは、歯や歯ぐきを傷めないようにセーブされているので、これは最大の力ではありません。歯ぎしりの場合は、その人の体重の約2倍の力で歯と歯をこすり合わせています。つまり体重50㎏の女性ならば、100㎏ほどの力が歯と歯ぐきに加わって、ダメージを与えていることになるのです。また、歯ぐきに過剰な力がかかると歯ぐきの血流が悪くなります。これも歯ぐきが痩せる原因になります。歯ぎしりは、歯そのものの摩耗や顎関節症にもつながり、いいことはありません。なるべく早く改善をしましょう。

歯ぐき痩せを予防して健康的な歯を維持しましょう!

歯ぐき痩せはこのように、歯周病以外の原因でも起こることもあります。とくにブラッシングなどは、毎日行うことなので力加減に注意していきましょう。歯ぐき痩せは症状が悪化すると、治療をしても元の状態に戻らなくなることもありますので、何となく歯が延びた……、歯ぐきが下がった……と感じた場合は、早めに歯科医院で見てもらいましょう!

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