一度抜けた歯がくっつく?!歯の再植とは?

2017.05.11 health渡辺蘭

歯の再植治療ってどんな治療?

歯科治療

再植は、歯牙破折が起きてしまった歯を抜歯せずに元の状態に戻す治療法で、歯の根元部分にある歯根膜という組織を利用して行います。例えば転倒して歯が根本から抜けてしまった場合、歯を元々生えていた位置に戻して、レンジやワイヤーなどを使い、数週間固定することで元の状態とほとんど同じ状態にすることができます。

しかし、抜けた歯が細菌感染を起こしている場合や抜けてから時間が経っている場合は、再植
治療を受けることができたとしても成功率が大幅に下がります。

細菌感染を起こさないようにするためには、抜けた歯をその状態のまま保つことが大切です。汚いからといって水道水で洗ってしまうと細菌感染を起こし、歯根膜が傷ついてしまう可能性があります。

この場合は、抜けたらすぐに口に入れて保存しておく、もしくは牛乳の中に入れて保存しておく必要があります。牛乳は歯の保存にとても適していて、最大で6時間歯根膜を生かしておくことができます。

治療のためにわざと歯を抜く“意図的再植”という治療もある

きれいな口元

虫歯が悪化して根管治療を行っても治らない場合は一度歯を抜き、細菌感染している部分を取り除いてから、元の位置に戻すという方法があります。これを“意図的再植(いとてきさいしょく)”といいます。意図的再植では、歯を抜くときに神経が切れてしまいますが、うまくいけば神経もしっかりと元に戻ることがあります。

根管治療以外のケースでは、強い衝撃が歯に加わったことにより抜けてはいないものの、歯茎の中で歯根が縦に裂けてしまった“歯根破折(しこんはせつ)”などに用いられることがあります。

歯根破折では一度歯を抜き、歯科専用の接着剤で歯の裂けた部分を修復して、元の位置に戻し固定するという方法で治療します。

再植治療を受けるデメリット

再植治療は100%成功するわけではない

ドクターストップ

再植の成功率は60~90%。意図的再植の成功率は80~90%と言われており比較的高確率で成功しますが、状態によっては成功しないケースもあります。
す。再殖が成功しないケースとしては、主に次の3つが挙げられます。

1.歯根膜が定着しない

先ほどお伝えしたように再植治療には歯根膜が重要で、歯根膜が生きている状態でなければ、しっかりと顎の骨に定着しません。歯が抜けてから時間が経ってしまい、歯根膜が機能していない状態で治療をしても、顎の骨にしっかりと歯根膜が定着しないので、再植治療を受けることができたとしても歯が再度抜けてしまう可能性があります。

2.歯根膜から虫歯が進行する

再植治療を受けて、しばらくの間しっかりと回復の兆しをみせていても、歯が抜けた際に歯根膜が損傷していると、数年後に損傷した歯根膜が溶けて虫歯になり歯が歯茎の内部で溶けてしまうこともあります。気づかないうちに虫歯が進行していることが多く、注意が必要です。

3.骨性癒着を起こす

“アンキローシス”とも呼ばれている骨性癒着は、歯と顎の骨が直接つながってしまう症状です。本来はと骨の間には歯根膜が存在しますが、再殖治療で歯根膜が元通りにならずに歯が顎の骨と癒着してしまうのです。

比較的成功率は高いですがリスクはあります

注意

再植治療は折れてしまった歯を抜歯せずに治すことができる、画期的な治療法ですが、デメリットが生じる可能性もあります。抜けた歯の状態にもよりますが、とはいえ再植治療も意図的再植治療も成功率は比較的高いので、治療を検討する価値はあります。

また、成功率をより高めるためには、抜けた歯の状態をよくすることが大切です。もし、自分や子供の歯が抜けてしまったら、焦らず歯根膜を残すことを考えて対処しましょう。そして、すぐにかかりつけの歯科医院に相談してみてください。

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