歯にできた黒い溝の原因は? 治療方法や予防方法を解説

2017.06.18 healthReiko Okabe

黒い溝は虫歯が多いことが原因

虫歯

歯の表面にできている黒い溝のほとんどは、虫歯が原因です。もともと人間の歯には溝があり、加齢とともに溝の角度などが変化します。溝が深くなるとプラークや歯石が溜まりやすくなり、その部分が虫歯になってしまうのです。

また、歯の溝はエナメル質が柔らかいため、虫歯への抵抗力が弱く、虫歯になりやすい部分です。少しでも黒ずんでいたら、早めに歯科医院を受診して予防に努めましょう。

歯の溝が虫歯になった場合の治療法2選

1.再石灰化による自然治癒に任せる

口内では常に再石灰化(歯を健康な状態に戻す働き)が行われているので、実は意図せずして口腔内で虫歯予防が行われています。いわゆる自然治癒です。症状の度合いによっては、再石灰化の働きだけで歯の黒い溝が自然治癒することもあります。

2.歯を削って樹脂を詰める

再石灰化が追い付かないほど症状が悪化している場合は、放っておくと歯の内部で虫歯がどんどん進行してしまう可能性があります。このようなケースでは自然治癒に任せておくのではなく、きちんとした治療が必要です。黒くなった溝を削り、上から樹脂を詰めるという治療法が有効です。樹脂を詰めて柔らかいエナメル質を上からコーティングすると、虫歯の再発防止につながります。

歯の溝が虫歯になるのを予防する方法

歯科治療

自分の歯の溝が黒ずんでいるか、気になってきた方もいるのではないでしょうか。そんな方のために予防法をご紹介します。

1.丁寧なブラッシング

毎日のブラッシングによって歯の溝に溜まったプラークを除去することは、虫歯を予防するうえで大切です。溝部分の初期虫歯は、再石灰化を活発にすることで自然治癒するケースが多いからです。

歯の溝にプラークが溜まっている場合、唾液が歯の溝の中まで届かないため、再石灰化の効率が下がります。虫歯になるリスクを軽減するためにも、毎日丁寧にブラッシングして再石灰化を促しましょう。

2.樹脂を詰めておく

「シーラント」と呼ばれる樹脂を虫歯になりやすい場所に詰めておき、虫歯菌の侵入を防ぎます。虫歯になりやすい乳歯に対して行われることが多い予防方法です。シーラントの寿命は4~5年と言われていますが、歯科医の腕やセルフケア次第ではもっと長持ちさせることが可能です。

3.フッ素塗布

歯科医院で行うフッ素塗布は、再石灰化を促進させる働きがあります。またエナメル質を強化して、酸に負けない強い歯を作る作用があるので、高い予防効果を得られるでしょう。実際、フッ素塗布をした歯は通常よりも虫歯になりにくいというデータもあります。

4.唾液の質を向上させる

再石灰化は、唾液の量と関係があります。人間は1日におおよそ1~1.5Lの唾液を分泌するとされていますが、ストレスや過労、緊張などが原因で、唾液量が減少すると再石灰化が抑制されるため、虫歯の症状が悪化しやすくなります。

唾液量を増やすためには、水分をよく摂ることと、よく噛むことが大切です。ドライマウスが気になる人は、普段から摂っている水分量が少ないのかもしれません。少なくとも1日に1.5Lの水を飲むように心がけましょう。

また食事をする際は、1口につき20回くらい噛んでから飲み込みましょう。日頃からガムやスルメなどの硬いものを噛むことを習慣づけると、唾液量の分泌がよくなります。

歯の溝の虫歯は進行が早いので注意しましょう

歯の溝にできてしまった虫歯は再石炭化で自然治癒することもありますが、なかなか治らない場合はあっという間に症状が悪化してしまいます。歯の黒い溝が気になるなら、様子を見つつ、なるべく早めにお近くの歯科医院を受診するようにしましょう。

あわせて読みたい

レコメンド

関連記事