要注意!夏の疲れから発症の恐れがある歯周トラブル
暑さで免疫力が低下してしまうと……
暑さで体調を崩してしまう人が多い夏。いわゆる夏バテ状態になると、体は免疫力が低下してしまい、これが原因で体のいろいろな箇所に不調をきたしてしまいます。倦怠感や食欲不振、睡眠障害……人によって症状はさまざまですが、複数の症状が同時多発的に現れることもあります。
気温など夏の暑さそのものが体力を奪うだけでなく、これら夏バテの症状が続くことによる体へのダメージが重なると負の連鎖が起き、なかなか体調が回復できなくなります。そして、免疫力の低下が長く続くと、口腔内の細菌抑制の力も落ちてしまいます。その結果、舌苔が増えて舌が真っ白になったり、口臭がキツくなったりすることがあるのです。
夏場に「体調が思わしくない!」と感じた時、舌を確認してみましょう。舌に苔が溜まりやすいなっていたら免疫が低下しているサインかもしれません。そんな時は、適切な休息を取ることを心がけ、エアコンを上手に活用するなど、暑さからくる夏バテの症状を長引かせないようにしましょう。体力と免疫力が回復すれば、自然と口腔内の環境も本来あるべき正しい方向に導くことができるのです。
夏の食習慣による口腔内への影響
暑さでどうしても食欲が落ちてしまう夏場はさっぱりとした冷やしうどんやそうめんなど、手軽にツルッと食べられる食材に頼りがちです。この他に野菜たっぷりのサラダなども合わせられれば良いのですが、準備が面倒でついつい主食のみになってしまう方も多いでしょう。
しかし、短時間で済ませられ、あまり噛む必要のない食事が多くなると、舌の清掃作用の働きが鈍くなってしまいます。その結果、舌苔が溜まりやすくなるのです。さらに栄養不足による体力の低下から、細菌が増殖しやすい口腔環境となってしまい、歯周病のリスクも上昇します。
夏場は、暑さのせいでフライパンなどを使った火を通す調理をすることに気が向かないこともあるでしょう。その場合は、火を使わなくても良い生野菜サラダを加えるなどしてみましょう。また、栄養バランスを考えるならば、タンパク質などの食品も必要です。タンパク質が豊富で調理に火が不要のお豆腐の冷奴などはオススメです。
黄色ブドウ球菌の増殖に注意
人の口腔内には多種多様な細菌が棲みついています。それらが歯垢(プラーク)というかたまりになって歯周にへばりつき、虫歯や歯周病、口臭などの原因になります。その細菌群の中には、黄色ブドウ球菌という細菌も存在します。
黄色ブドウ球菌は傷口などに多く生息し、化膿させてしまうこともある菌ですが、口腔内にも多く存在するので、ちょっとした傷から口内炎を悪化させる原因にもなり得ます。口内炎は小さな傷が潰瘍状になり、食事をするたびに染みたりもしますので、食べることが億劫になり、歯磨きのときも支障をきたすなど厄介な症状です。
また、黄色ブドウ球菌は歯周トラブルに留まらず、食中毒の原因にもなってしまうのです。毒素を放出し、吐き気や腹痛などといった症状を招きます。この事態を避けるために歯ブラシや歯間ブラシ、フロスといった基本的な清掃はマストと言えます。さらに口内炎になってしまった場合は、殺菌作用のあるうがい薬で殺菌し、口内炎治療薬を使用しましょう。まずは、十分な休息を取って夏の食習慣を改善して、歯周トラブルを未然に防いでいきましょう!