変色してしまった歯を白くキレイにするためには？

2017.10.11 health根岸

歯が変色する原因と対策

歯が黄ばむなどの気になる変色はなぜ生じるのでしょうか。まずは主な7つの原因について検証しましょう。

原因その１：ステイン

歯の表面はエナメル質で覆われています。色の濃い食べ物（チョコレート・カレーなど）や色の濃い飲み物（コーヒー・紅茶・赤ワインなど）、タバコのヤニなどの色素が歯のエナメル質に付着・蓄積することで変色します。この着色による黄ばみをステインといいます。

付着したばかりの色素は歯磨きやうがいである程度取り除くことができますが、日常的に摂取していると蓄積してしまい簡単なケアでは落ちにくくなります。

原因その2：加齢

歯も肌や髪の毛と同じように老化が進みます。年齢を重ねると、象牙質が厚くなったり、エナメル質が黄ばんだりして、歯は茶色に変色します。これは加齢による変化なので、どうしても防ぐことはできません。しかし、変色の度合いには個人差があります。

原因その3：脱灰（だっかい）

食べ物などに含まれている糖が歯のエナメル質を溶かし、初期虫歯の状態になります。これは「脱灰」といって、歯が溶けてしまう症状です。溶けた歯が修復することを「再石灰化」といいます。脱灰と再石灰化はバランスを保ちながら交互に繰り返されています。しかし、甘いものを食べすぎやお酒の飲みすぎで、脱灰の状態が長く続くと歯が変色してしまいます。

原因その4：虫歯

脱灰が進行してしまい、穴が開くほどの虫歯になると菌の繁殖によって歯が茶色に変色します。さらに悪化すると、黒色に変色する場合もあるので早期に治療をするようにしましょう。

原因その5：歯の神経の死滅

虫歯や歯をぶつけたなどの外的要因による損傷で歯の神経が死んでしまった場合、神経が通っていない歯には栄養が行き届かないため、少しずつ茶色に変色していきます。小さい頃に転んで歯をぶつけたことがある人は、大人になってから変色するパターンもあるので要注意です。

原因その6：抗生物質

呼吸器疾患、皮膚疾患、ニキビの治療薬などに含まれている「テトラサイクリン」という物質が原因で、歯が変色してしまう場合があります。0～12歳の頃に摂取すると、歯が茶色や紫色、黒色に変化する可能性があると言われています。妊娠中の人が服用して子どもの歯が変色したケースもあるそうです。

原因その7：詰め物の劣化

虫歯治療などの詰め物を長期間使用していると、色素沈着や劣化により変色してしまいます。表面を磨けばもとの色に近づけることもできますが、内部まで変色している場合もあります。歯医者に行って詰め直すのが一般的な治療法になりますが、詰め物の性能が年々進化していることもあり、最近では劣化しにくくなっていると言われています。

ホワイトニングなど歯の見た目をケアする方法とは

着色してしまった歯を白くする処置として、多くの方がご存じなのがホワイトニングです。しかし、「ホワイトニングができる商品」など言葉だけが先行してしまっているケースも多く、市販のものでも歯を真っ白にできると勘違いしている方も少なくありません。

薬剤を使用した歯科医師監修のもとで行うホワイトニングは歯を白くできますが、市販のものは正しくは「本来の歯の白さに近づける」ことができる製品です。そのため、そうした実態を正しく認識したうえで、きちんとしたお口のケアをすることが大切になります。以下は歯が着色した際にできる処置になるので、その違いについてまずはきちんと把握するようにしましょう。

ホワイトニング

消毒液と同じ成分である過酸化水素を使用して、歯に染み込んでしまった着色成分を分解して漂白します。歯を削ったり傷つけたりすることなく、歯を白く仕上げることができます。

エアフロー（パウダークリーニング）

パウダー状にした重曹をジェット水流で歯に吹きつけて汚れを落とすクリーニング方法です。歯の表面に付着したステインや汚れを落とし、歯の白さを取り戻します。ただ、ホワイトニングのようにもとの白さ以上になることはありません。

セラミック（補綴物）

「本物の歯により近い人工歯」を取りつける方法です。人工歯なので、選択によって元の歯よりも白いもの身につけることができます。セラミックの補綴物を装着するには歯を削る治療が必要であり、保険適用外なので金額は病院によって異なります。

歯面コーティング

マニキュアを塗るように、歯の表面に白いプラスチックを塗って白く見せます。別名ではホワイトコートとも呼ばれています。ホワイトニングで白さを実感できなかった場合は試してみることをおすすめします。場合によっては、歯の表面を少し削ってから治療することもあるので、その点は注意が必要です。他にもラミネートベニアを貼りつけて歯を白くする方法もあります。