タバコが原因で口内炎に?「ニコチン性口内炎」の特徴と予防方法
体調が悪いときにできるアフタ性口内炎
口内炎と一括りにしていますが、その種類はいくつかあります。中でも「アフタ性口内炎」と呼ばれる体調が悪い時にできやすいタイプが多くの人にとってお馴染みです。
アフタ性口内炎の特徴と原因
アフタ性口内炎は、はっきりとした原因がわかっていませんが、とくにストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足などでできると考えられています。
仕事に追われ心身ともになかなか休息がとれないとき、試験勉強でゆっくりと睡眠がとれないとき、ダイエットをしていてバランスのよい食事がとれていないときに発症します。そして、それはどれも体からの警告のサインだったのです。
とはいえたった1日の不摂生で口内炎ができるわけでもありません。日々の疲れが体に蓄積し、その結果、口内炎としてSOSが発せられているのです。
ニコチン性口内炎とは……
口内炎はアフタ性口内炎のように身体的な疲れが原因のものもあれば、体に摂取する成分が原因で発症するものもあります。その中の1つが「ニコチン性口内炎」です。ここからは、ニコチン性口内炎の原因と対処法を紹介します。
ニコチン性口内炎の特徴と原因
一口にニコチン性口内炎と言えば、「長期間喫煙を続けることで発症する口内炎」のことです。長期間、タバコを大量に吸っている人ほど発症しやすいと言われています。煙の熱気によって口の中が刺激され、軽くやけどをした状態になり、煙によって口の中が乾燥することで口内炎ができやすくなる状態をつくり出すのです。他にもニコチンをはじめとするタバコの有害物質が口の粘膜に影響をおよぼし、口内炎が発症するのではないかと考えられています。
主な症状
口の中の粘膜や舌に円形や楕円形状の白い潰瘍(皮膚や粘膜などにできる深部にまで及ぶ組織の欠損)ができるタイプと、口の中の粘膜にある小唾液腺が炎症によって赤く腫れ、口の中の粘膜に赤い斑点が見られるタイプの2つに分けられます。
どちらの場合も自覚症状がないことが多いのですが、食べ物や飲み物がしみたり、炎症を起こした部分が痛んだりして気づくこともあります。
ニコチン性口内炎になってしまったら
ニコチン性口内炎は、口の中の状態や喫煙歴などで判断しやすいので、特に検査などを行う必要はないようですが、「ニコチン性口内炎かもしれない」と疑ったら、まずは数週間から数ヶ月タバコを控えることをおすすめします。
禁煙がどうしても難しい場合は、まずはタバコの本数から減らしてみてください。吸ってしまった場合は、そのあとに必ずうがいをして、口の中に付着した有害物質を洗い流すようにしましょう。
その他のタバコが及ぼす悪影響とは
可能性がある病気の種類
喫煙は、がんだけでなく脳卒中や心筋梗塞、高血圧、肺炎、動脈硬化、糖尿病、骨粗鬆症、メタボリックシンドローム、うつ病などのリスクが高まります。また、妊娠・出産への悪影響や乳幼児突然死症候群の発症リスクもあると言われています。また、禁煙者の方が喫煙者よりも寿命が「10年」も長いとも言われるほどです。
美容への影響
若いころからタバコを吸い続けている人は、目尻や口の周りなどのシワ、くすんだ肌、乾燥した唇、白髪の量、歯のヤニ、歯ぐきの変色、口臭などに大きく影響を与えます。ニコチンの影響で血管が収縮することで肌に酸素が届きにくくなり、こうした健康への影響が現れてしまうのです。
タバコをやめることで見た目も心も健康的な体に!
禁煙することで病気のリスクを低減できるだけでなく、ニコチン性口内炎も予防できます。また、受動喫煙から大切な家族を守ることができ、食べ物を今まで以上においしく感じることもできるでしょう。
禁煙することで、呼吸器の症状の改善、心臓病のリスク低下、そしてがんのリスクも低減すると言われています。ご自身の体を大切にする意味でも、タバコの数を少しでも減らすことを心がけましょう。そうすることでニコチン性口内炎のリスクも低くなるはずです。