神経のない歯の漂白効果が期待できる?「インターナルブリーチ」とは

2017.11.06 health福本春香

神経が死んでしまった歯が変色する理由

神経が生きている歯の変色は、歯の表面にある象牙質自体の色の変化(食べ物や飲み物の着色)が原因ですが、神経が死んだ歯の変色は、象牙質内の細管の中に入り込んでしまった物質が原因となります。

歯をぶつけたり、歯が折れたりすると歯髄内で出血が起こります。他にも虫歯などが原因で歯髄内に細菌が入り込むと、細菌を殺すためにリンパ球などの防御を働かせようとして血流量が増加。歯髄の肉が壊れたものと血液中の鉄分が象牙細管に入り込むことで、歯の色が黒く変色します。また、神経の治療の際も同様に血液の成分などが細管内に入り込むことで徐々に変色します。

変色はあくまでも個人差があり、必ずしも全員の歯が黒ずむわけではありません。子どものころに歯をぶつけたり、歯を折ってしまったり、重度の虫歯で神経の治療をしたりするとそのときには特に変化がなくても、歳月を経ることで変色する場合もあります。

歯の黒ずみの原因が、すべて歯の神経の死ではありませんが、気になる方は一度、歯医者で診断を受けましょう。神経が生きているか死んでいるかでその後の対処法が異なります。

神経のない歯を白くするインターナルブリーチ

神経がなく通常のホワイトニングが行えない場合におすすめなのがインターナルブリーチになります。インターナルブリーチは、歯の根の治療後に歯髄があった部分に薬剤を入れて白くしていく方法です。

処置の方法としては、一度根の治療を終えて上から詰め物などをしている場合は、一旦詰め物を取り外すことで薬剤を充填して白くします。細管部分に直接薬剤が届くため、高い効果が期待できます。薬剤を入れた後に通常のホワイトニングと同様に光を照射。一連の処置が終わった後に中に入れた薬剤を取り除きます。

ホワイトニングと同様、個人差はもちろんあります。5~10回ほどの施術で他の歯と変わらない白さを手に入れられると言われています。また、通常のホワイトニングと同様に色戻りや普段の食生活での着色もあるため、白さを継続的に持続させるためには半年から1年のサイクルで再度施術を行う必要があります。

また、インターナルブリーチを施術するにあたり、1つの注意点があります。処置の際にガスなどが発生し内圧が上がるので、「ヒビ」などが入っていない丈夫な歯質であることが条件になります。

なぜホワイトニングではだめなのか

神経のない歯は、一般的なホワイトニングで用いられている過酸化水素や過酸化尿素による漂白効果はあまりありません。歯の状態によっては、施術後すぐに白さを実感できるケースもありますが、神経のない歯はすぐに変色するので、ホワイトニングをしてもあまり効果は得られないと言われています。

そのため、神経のある歯は通常のホワイトニングで、神経のない歯はインターナルブリーチで白くすることをおすすめします。歯科医師の診断のもと、適切な処置を受けるようにしましょう。

気になる方はまずはご相談から……

インターナルブリーチは、神経のない歯でも白くできる可能性がある処置です。通常のホワイトニングとは異なり、インターナルブリーチに対応していない歯科医院もあるので、事前に調べてから歯科医院を受診するようにしましょう。ホワイトニングでは白くならない歯がある場合は、一度歯科医師に相談してみることをおすすめします。

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