近年、注目されているポリリン酸によるホワイトニングとは

2017.10.28 health福本春香

ポリリン酸ホワイトニングってどんなもの?

ポリリン酸は化合物であるリン酸が結合してできたもので、私たちの体の中にも存在します。その中の一種であるポリリン酸ナトリウムは変色防止の食品添加物として厚生労働省からも認められており、ハムやソーセージなどの身近な食品にも使用されています。また、歯磨剤やマウスウィッシュなどのデンタルケアグッズにも使用されているため、比較的安全性の高い成分と言えます。

洗剤の成分としても使用されるポリリン酸は、着色物を除去する働きを持っているため、歯に着色した汚れをきれいに落とす効果が期待できます。ただ、注意すべき点は、ポリリン酸には歯の着色を除去する効果はあっても、漂白作用はないということです。そのため、歯科医院で受けられるホワイトニングの処置とは異なることをあらかじめ理解しておきましょう。

通常のホワイトニングとの成分の違い

ポリリン酸を含んだ製品と歯科医院で受ける通常のホワイトニングに使われる薬剤では、成分が異なります。そのため、それぞれの特徴を理解したうえで、自身の希望に沿った選択をすることが大切です。

・通常のホワイトニング
主に過酸化水素を使用した薬剤を使用しています。過酸化水素が歯の中まで浸透することで、エナメル質の内部に沈着した着色やステインなどを分解して浮かせ歯を漂白します。

・ポリリン酸ホワイトニング
ポリリン酸には漂白効果はありません。ただ、歯についた着色汚れを落とすことが期待できるため、表面をキレイにすることで歯を本来の白さに近づけることができます。ポリリン酸が含まれている製品が市販されているので、お家で使用することもできます。

過酸化水素を含んだ薬剤は、歯科医師や歯科衛生士など国家資格を有している方が在籍していなければ使用ができません。そのため、漂白効果を期待したい方は、歯科医院でのホワイトニングを受けるか、海外製の過酸化水素を含んだ製品を使用する必要があります。

ポリリン酸ホワイトニングの4つのメリット

メリット1:痛みを感じない

通常のホワイトニングでは高濃度の過酸化水素を使用しますが、過酸化水素によって歯がキーンと痛むことがあります。国内の製品であれば、過酸化水素を含んでいないため、痛みを感じることはありません。

メリット2:歯の本来の白さに近づく

ポリリン酸ホワイトニングは劇的に歯のトーンが白くなるわけではありません。しかし歯の表面に付着したステインやタバコのヤニがきれいに除去されるので、歯本来の色を取り戻し透明感のある自然な白さに近づけることができます。

メリット3:歯の根元までホワイトニングできる

ポリリン酸ホワイトニングの場合、歯ぐきを保護する必要がないため、歯の根元ギリギリまで使用できます。歯の根元の気になる黄ばみの解消につながることが期待できます。

メリット4:歯の本来の白さが長持ちする

ポリリン酸は着色を除去するだけではなく、同時に歯の表面をコーティングします。そのため汚れがつきにくくなり、歯の本来の白さが長持ちします。

自宅でもできるポリリン酸ホワイトニング

ポリリン酸ナトリウムを含むデンタルケアグッズは、ジェルタイプの歯磨き粉やブラッシングの後に使用するマウスウォッシュなど、さまざまな種類が販売されています。使用法を確認したうえで、ご自身に合ったものを選択しましょう。

注意したいのは、歯磨き粉に研磨剤も含まれている場合があることです。研磨剤の入った歯磨き粉はエナメル質が傷ついてしまうことで新たに着色する原因にもなり得ます。ポリリン酸ホワイトニングをする場合は、なるべく研磨剤の入っていない歯磨き粉を選ぶようにしましょう。

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