舌の位置と歯並びの関係性とは?導入すべき舌癖トレーニング
舌の正しい位置とは?
そもそも、舌の正しい位置とはどこなのでしょう。上顎の前歯の後ろにポコッとした膨らみがあります。その部分に舌先を丸めずにピタッと当ててみてください。その状態で口を閉じ奥歯は軽くかみ合わせた状態。これがスポットと呼ばれる舌の正しい位置になります。
舌が正しい位置にあると上顎が舌の筋肉に押し上げられ、歯全体のバランスがきちんと整いやすくなるのです。スポットに当てていると舌が疲れてしまったり、この位置に舌をキープできなかったりする場合は、舌になんらかのよくない癖があると考えられます。
舌の位置がよくないことで考えられる悪影響
歯は常に動いており、数ヶ月または年単位で歯並びは少しずつ変化しています。では、具体的に舌の位置によって歯並びにどんな影響があるのでしょうか。以下の5つのお口の状態に当てはまるものがあれば、チェックしてみてください。
受け口
受け口の人は舌の位置が低く、下顎の裏側にあります。すると常に下の前歯を押している状態になり、下の前歯や顎ばかりが成長して受け口になってしまいます。
歯並びがガタガタ
舌の位置が正しいスポットにないと、上顎が広がらず隙間が狭くなります。そのため歯がきれいに並ばず、ガタガタの歯並びになって八重歯が出てきたりしてしまいます。
出っ歯
舌が上の前歯だけを押している状態が続いたり、正しいスポットにつけられず上顎が狭くなってしまったりすると、歯が飛び出して出っ歯になってしまいます。
いつも口が開いている
舌が歯と歯の間にはさまったり、食べ物を飲み込む時に間に入ってきたりする場合、口が閉じられない状態になります。舌の力で前歯が押し広げられ、上の歯と下の歯がどんどん噛み合わなくなってきます。
発音がよくない
舌と上顎はほぼ同じ大きさをしています。そのため舌の位置が悪くて上顎が狭くなった場合、舌をうまく使えなくなりタ行やサ行の発音がしづらくなります。
舌の癖を放っておくと、歯並びはどんどん悪化していく一方です。成長によって歯を移動させやすい子どもの時期に改善するのが一番ですが、大人になってからでも悪化を食い止め少しずつ改善することはできます。
まずはテレビを見ているときや電車に乗っているとき、舌の位置をなるべく意識して正しいスポットに置くように意識しましょう。さらに、効果があるといわれている以下のトレーニング法をプラスしてみてください。
舌出しトレーニング
舌を目いっぱい出して上下左右に動かし、筋肉をつける運動です。舌が下がっている場合は筋力が低下しているので、運動することでスポットに当てられるまでに筋力を回復できます。
ホッピングトレーニング
舌先をスポットにつけたら、吸い上げるように舌を上顎全体にピタッとくっつけます。その後、ポンッと音を立てながら勢いよく舌を離しましょう。1セット10~15回で、1日3回が目安です。1回1回をゆっくりやるのが効果的で、こちらも筋力をつける運動になります。
ガムチューイング
ガムをやわらかくなるまで噛んで、舌の上で丸めます。それを上顎の中央付近にベタッと張りつけるように広げます。そのガムを舌で抑えながら奥歯を噛み合わせ、ゴクンと唾液を飲み込んでください。これを2~3回繰り返します。正しく物を飲み込む練習になります。
紹介したトレーニングはどれも簡単なものばかりですが、始めるときはできるだけ歯科医院で正しい指導を受けてからにしましょう。ご自身のお口の状態に合わせて、効果的な方法を提案してくれるはずです。
舌の位置を整えることのメリット
舌の位置を正しくすると、歯並びの改善につながります。すると歯列矯正治療がスムーズになったり、治療後の後戻りを緩和したりすることが期待できます。また、歯並びが整うことで顔全体のバランスが整い、印象も変わったりします。さっそく今日から意識してみてくださいね。