病気の疑いも?舌がピクピク震える症状を解明

2017.11.10 health福本春香

舌の痙攣はストレスが原因?大きな病気の可能性も……!

舌は健康の状態を表す大事なバロメーター

体調を崩して病院に行くと、ほとんどの場合舌をチェックされますよね。これは舌診(ぜっしん)といわれ、とても大事な診断方法です。東洋医学の世界では、舌は“体質や内臓の状態を映し出す鏡”とまで考えられているほど、バロメーターの役割として重要視されています。

実際に舌は粘膜に覆われ血管がたくさん集まっている部位なので、血液や体液の質が表れやすいのです。舌の色や形、舌苔などを観察することによって、具体的に以下のことがわかると言われています。

・胃腸の状態
・水分代謝や体温調整の異常
・心の状態
・病気の進行具合

毎日鏡で確認をしていると、ご自身でも変化に気づくことができるかもしれません。

舌がピクピク震える原因

舌が震える原因としては、主に以下のことが考えられます。

原因1:自律神経失調症

自律神経は交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで構成されています。ところが不規則な生活を続けていたり過度なストレスを受け続けたりするとこの2つのバランスが乱れ、体にさまざまな不調をきたします。

舌の震えもその症状の1つで、ピリピリとした痛みをともなうこともあります。他にも強烈なめまいやふらつき、動機や息切れなどが起こり、これらの症状による不安感から病状が悪化してしまうことも珍しくありません。自律神経失調症は1つの要因が引き起こすのではなく、さまざまなストレスが複雑に絡み合って起こると考えられています。

原因2:顔面痙攣

顔面痙攣は顔の片側が意思とは関係なく痙攣してしまう病気です。顔は脳に近い場所にあり神経が集中している部位。そのため、ストレスなどで頭の中の血流が阻害されると脳の神経が圧迫され、顔に痙攣が起こると考えられています。

はじめは目の周囲に症状が出て、進行すると口もとや舌にも影響が現れます。軽度の場合は内服薬による治療を行いますが、日常生活に支障が出てくる場合はボトックス注射や外科的手術が行われることもあります。

舌の震えを改善するためにできることは?

舌の震えを引き起こす自律神経失調症や顔面痙攣は、ストレスが原因となっていることがほとんどです。そのため、根本的に改善するためには生活習慣の見直しやストレスの軽減が必要となります。次のような方法を取り入れることで、気持ちの安定を図りましょう。

方法1:ストレスはしっかり発散する

難しいことではありますが、「ベッドに入る前に瞑想をする」「嫌なことを紙に書き出す」など1日に感じたストレスはできるだけその日のうちに発散させましょう。翌日に引きずらない工夫をしてから眠りにつくのがポイントです。

方法2:有酸素運動をする

20分程度の無理のない運動が自律神経を整えるのに効果的だと言われています。ジョギングやウォーキング、ヨガや自転車など、頑張りすぎず継続してできそうなものを取り入れてみましょう。

方法3:眠りのリズムを整える

毎日同じ時間に就寝・起床することが、リズムある生活への近道です。安眠するためには寝る1時間前に部屋の明かりを消し、リラックスした状態で体を休めるようにしましょう。

方法4:就寝40分~1時間前に湯船につかる

入浴することでストレスを軽減できるといわれています。おすすめは40度以下のお湯にゆっくりつかり汗をかくこと。体温調節の機能を鍛えることができます。また、その後の眠りを深くする効果もあります。

脳腫瘍・脳卒中の可能性もある!?

舌が震える症状が起こる病気の中には、重大なものもあります。舌の震えは脳腫瘍や脳卒中などの初期症状の1つと言われています。この場合、舌が動かしにくかったり呂律がまわらなかったりと、舌の震え以外にも違和感に気づくことがあります。おかしいなと感じたら、すぐに脳神経外科を受診するようにしましょう。

また、舌の震えに加え、しびれやめまい、目の充血やイライラなどの症状が現れた場合、甲状腺などのホルモン内分泌系の異常も考えられます。このように、舌の震えからはさまざまな病気の可能性が考えられます。少しでも体の異常を感じたら、放置せずに医療機関を受診することをおすすめします。

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