歯の詰め物の種類とは?素材別で比較するメリット・デメリット

2017.12.04 health福本春香

保険適用の詰め物

歯の詰め物は、保険適用で最低限の費用で治療を行えます。治療費を抑えられる反面、自費診療に比べて素材の品質が落ちるのが難点です。保険適用の詰め物には主にプラスチックと銀が使われます。

プラスチック

コンポジットレジンとも呼ばれ、小さな虫歯の治療に使用されます。直接歯に詰め物を盛るダイレクトボンディング法が採用されることが多いようです。

メリット

保険適用なので治療費が抑えられること、1度で治療を完結できるケースが多いことがメリットとして挙げられます。また後述する銀よりも目立たないため、値段と審美性の両方を重視したい人におすすめです。

デメリット

耐久性が低く、割れたりすり減ったりしやすいことがデメリットとして挙げられます。ダイレクトボンディング法が多く用いられるのはこのためで、力がかかりやすい奥歯の治療にはあまり向かないと言えるでしょう。また、白い詰め物ではあるものの、時間とともに変色していきます。

金銀パラジウム合金の詰め物で、いわゆる銀歯です。成分としては金、銀、パラジウムの他に銅やイリジウム、インジウムなどが用いられています。

メリット

プラスチックと同様に治療費が安く済みます。また金属なので強度が高く、負荷がかかりやすい奥歯の詰め物としても適しています。

デメリット

口を開けたときに目立ってしまうため見た目が美しいとはいえません。また、銀と歯はあまり相性がよくなく、しっかりとくっつきにくいため、隙間ができやすくなってしまい、そこから虫歯が再発したり、歯が割れてしまう危険性もあります。さらに金属アレルギーの原因になることもあるため、現在はアレルギー反応がないという方も注意が必要です。

保険適用外の詰め物

治療費が安いことから保険適用になるプラスチックや銀を選ぶ人は少なくありませんが、質の高さを重視して保険適用外の詰め物をセレクトする人も多くいるようです。質や見た目にこだわりたいという人は保険適用外の詰め物も検討してみましょう。

セラミック

セラミックは人間の歯に見た目がかなり近い自然な詰め物です。すべてセラミックでできた詰め物をオールセラミック、セラミックとプラスチックを混ぜ合わせた素材をハイブリッドセラミックといいます。

メリット

天然の歯にもっとも近く変色もしにくいため、審美性を重視するならセラミックが一番だと言えるでしょう。また耐久性が高く、すり減りにくいのも長所です。金属を使用していないため、金属アレルギーになる心配もありません。

デメリット

保険適用外となるため治療費がかさみます。また歯よりも硬いことが原因で割れることもあります。ハイブリッドセラミックにおいてはプラスチックも使用されているため、時間が経つにつれてやや変色する可能性があります。

金合金や金にプラチナを混ぜて作られた白金加金で作られた詰め物です。近年ではセラミックが進歩したことから金を使うことは少なくなっているようです。

メリット

もっとも適合性が良い素材のため割れたり折れたりしにくく、虫歯を再発するリスクも抑えられます。強度があり、奥歯への使用も問題ありません。また金属ではあるものの、銀と比べて金属アレルギーになる可能性は低いと言えます。

デメリット

保険が効かないため治療費が高いこと、見た目が目立つことがデメリットとして挙げられます。見えにくい部位の治療におすすめしたい詰め物です。

歯の詰め物の選び方

歯の詰め物は、どれが一番いいとは一概には言えません。前述したようにそれぞれの詰め物にメリットとデメリットが存在するので、歯の詰め物を選ぶときには自分にとっての優先順位と照らし合わせて考えてみてください。考慮したい点としては、

・保険が適用されるか
・見た目が美しいか
・十分な強度があるか
・アレルギーのリスクがあるか

などが挙げられます。治療において何を重視したいかを歯科医師に伝え、よく話し合って決めるようにしましょう。

また、口の中にすでにある詰め物を取り替えたいという人も少なくありません。特に最近では銀の詰め物を白いセラミックに替えたいと希望する人は多いようです。もちろん、審美歯科をはじめとしてこのような要望に応えてくれる歯医者はたくさんあります。「見た目が気になって自然に笑えない」「アレルギー症状が出てしまった」など詰め物に関して悩みがある人は、遠慮せずに歯医者で相談してみてください。

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