子どもに虫歯菌を移さないための有効な母子感染対策とは

2018.01.13 healthオオタカ

子どもの虫歯菌感染の多くは母子感染から

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはミュータンス菌などの虫歯菌は存在しません。ではなぜ子どもは成長するにともない虫歯に罹る確率が高まるのでしょうか?それは虫歯が感染症だからです。そして、子どもの虫歯の多くは母親や父親など身内などから菌が移る「母子感染」によるものなのです。

虫歯は虫歯菌の感染によって起こる感染症

よく甘いものを食べると虫歯になると言われています。確かに間違っていませんが、実は甘いものを食べたとしても必ず虫歯になるわけではありません。甘いものを食べると歯に付着している歯垢に生息する虫歯菌が糖を分解し、酸を出します。この酸が歯を溶かし虫歯になります。つまり甘いものを食べるから虫歯になるわけではなく、虫歯菌が出す酸によって虫歯は発生するのです。

また、あまり知られてはいませんが、虫歯はインフルエンザや風邪と同様、感染症なのです。ただ虫歯菌はインフルエンザや風邪などとは異なり、空気感染をすることはなく、虫歯菌に感染した唾液が口に入ることによって感染します。

赤ん坊の虫歯感染の多くは母子感染が原因

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には虫歯菌は存在しないのに、子どもが成長するにつれて虫歯になる確率が高まるのは、多くは赤ちゃんのころの虫歯感染に原因があります。

そして、その感染源は赤ちゃんの身近にいる家族、なかでも密接に接することの多い母親からの母子感染が多いとされています。たとえば離乳食を食べさせるときに熱いからといって「フゥーフゥー」とお母さんが離乳食に息を吹きかけ、冷ましてから食べさせるとお母さんの口中に生息する虫歯菌が離乳食に飛んでしまい、赤ちゃんの口の中に入り、虫歯菌に感染することがあります。

同じようにかわいさ余って唇や頬っぺたにチューをすると感染リスクがぐんと高まりますから、子どもに虫歯菌を移さないよう気をつける必要があります。

子どもに虫歯菌を移さないために大切なこと

子どもに虫歯菌を移さないために、赤ちゃんとのスキンシップをやめるということは、子どもの情操教育のために決して良いことではありません。子どもに虫歯菌を移さないために少しの注意と小さいころからのケアを心がけることで、子どもの虫歯リスクはグンと下がります。

子どもへの虫歯菌の母子感染を防ぐために

子どもへ虫歯菌に感染しないためにまず注意すべきことは、子どもに食べ物を与える際にお母さんの唾液が食べ物の中にできるだけ入らないよう注意することです。硬い食べ物をお母さんが噛み砕いて与えるなどは決してしてはいけません。

熱い食べ物は時間をおいて冷まして与えるようにしてください。また食器や箸、スプーンなども他の家族と共有しないよう、注意してください。子どもへのチューは控え、頬にチューをしたときはタオルでふき取るようにし、子どもに虫歯菌を移さないよう気をつけてください。

子どもに正しい食生活と歯磨きの習慣をつけさせる

厳密に虫歯菌が子どもの口の中にまったく入らないようにすることは不可能です。また、虫歯菌が少々口の中に入っても、虫歯菌が育ちにくい口腔内環境を整えていれば、虫歯リスクを大きく減らすことができます。

そのためには正しい食生活と歯磨きの習慣がもっとも効果的です。食生活に関しては、食事やおやつを食べる時間を決め、甘いものを与え過ぎないことが重要です。また食後は歯磨きの習慣をつけさせ、小学校低学年までは親による仕上げ磨きを行ってください。

家族みんなで定期検診を

子どもに虫歯菌を移さないことは不可能ですが、感染する虫歯菌の数を大きく減らすことはできます。そのためには一緒に住んでいる家族みんなが歯医者さんで定期検診を受け、家族全員で虫歯菌の少ない、虫歯になるリスクの少ない口腔内環境づくりが重要です。

予防習慣をつけて正しいスキンシップを!

子どもの虫歯の原因の多くが母子感染ということは、とてもショッキングな事実です。しかし、母子感染を防ぐためといって赤ちゃんへのスキンシップをやめてしまうことは子どもに愛情表現を示すことができなくなってしまいます。もっとも重要なことは親子で虫歯予防の習慣をつくり、虫歯になりにくい口腔内環境をつくることなのです。

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