通常よりも歯のサイズが大きい「巨大歯」が目立つ原因とは?

2018.03.24 healthオオタカ

巨大歯の原因と治療法は?

通常よりもサイズが大きい巨大歯とは

巨大歯とは歯の形態異常の1つで、歯の大きさや長さが通常の範囲を超えた場合の症状を指します。巨大歯の症状がよく見られる場所としては上顎の中切歯、切歯、犬歯と下顎の中切歯、第一臼歯、過剰歯が挙げられます。巨大歯は乳歯ではあまり見られず、永久歯の前歯に見られることが多いようです。なお、巨大歯はごく稀にみられる症例で、全体の0.1%とも言われています。

歯の大きさは個体差があり、人種、性別などによっても異なります。しかし、近年では統計調査などで歯の種類別の標準的な大きさが明らかになり、おおよその目安が公表されています。たとえば中切歯の大きさは通常は8.5ミリから9ミリですが、標準値を超えて10ミリ以上ある場合は巨大歯の可能性があると言えるでしょう。

巨大歯の原因は厳密には特定されてはいません。臨床の報告によれば、巨大歯の子どもを診察した場合、親や親族に同様の症例が多く見られることから、巨大歯のもっとも大きな原因は遺伝によるものと考えられています。

巨大歯ではないのに歯が大きく見える理由

歯の大きさは他の歯と比べて遜色ないのに、周辺の歯の大きさや口腔内環境の悪化などにより歯が大きく見えることはよくあります。たとえば、以下のような症状の際に歯が大きく見えることがあります。

理由1:顎に対して歯が大きい

顎が小さく前歯が大きく見えるなど、顎と歯の大きさのアンバランスさにより歯が大きく見えてしまうことがあります。この場合は歯が顎のラインに収まらないので、歯がデコボコと並んでしまったり重なって生えたりします。こうした状態を叢生(そうせい)または乱杭歯(らんぐいば)などと呼びますが、審美的に良くないのはもちろん、噛み合わせが悪く虫歯や歯周病の原因にもなります。

理由2:周りの歯が標準よりも小さい

前歯の周りの歯が生まれつき標準よりも小さいために、前歯が巨大歯に見えてしまうこともあります。生まれつき標準よりも小さい歯のことを矮小歯といい、上顎の側切歯や第三第臼歯に見られる症状です。こうした症状は歯の退化現象によるもので巨大歯と同じく形成異常と言えます。矮小歯はすきっ歯にはなりますが、特に治療を必要としない症例になります。

理由3:出っ歯である

前歯が出っ歯だと通常よりも目立って大きく見えるので、周りの歯が少し後退している場合は、さらに大きく見えてしまいます。出っ歯の原因としては上顎の成長過多や下顎の成長不良など上下の顎のアンバランスや前歯の角度の異常など先天的なものや、乳幼児期の指しゃぶりや口呼吸、舌で前歯を押したり舌や下唇を前歯で噛んだり、爪を噛むなどの生活習慣によるものがあります。

理由4:癒合歯

癒合歯は2つの歯がくっついて1本の歯の状態になって生えてくる状態です。乳歯に時々見られる症状で1~3%の乳幼児が癒合歯を持つと言われており、ごく稀に永久歯でも見られることがあります。癒合歯は虫歯になりやすく、また永久歯の本数が足りなくなったり、乳歯から永久歯への生え替わりの際に上手に抜けかったりするなどの懸念があるので、子どもの癒合歯を見つけたら歯科医院で診察を受けてください。

理由5:歯ぐきの後退

歯ぐきが後退すると歯ぐきから露出する歯のスペースが多くなり、歯が大きく見えます。歯ぐきの後退としてもっともも考えられる原因は歯周病で、ほかに歯ブラシで強く磨きすぎや歯ぎしり・食いしばりなども原因として考えられます。歯ぐきから歯が露出しているなと感じたら、すぐに歯科医院で治療を受けてください。

巨大歯や歯が大きく見える場合の治療法

巨大歯の場合や歯列などの影響で歯が大きく見える場合は、口腔外科などで適切な治療を受ける必要があります。

治療法1:差し歯にする

歯が通常よりも大きい場合の治療法として、差し歯にすることがあります。歯の大きさを小さくするには歯を削るしかありませんが、歯を削ると知覚過敏になったりする可能性があるので、削った歯に差し歯を被せます。

ただし、差し歯にする場合は歯の神経も抜くので健康な歯の健康を損なうことになります。治療の際は医師としっかりと話し合うことが重要です。

治療法2:矯正治療を受ける

前歯の大きさが気になる方の多くは歯並びに原因があります。こうした場合は、矯正治療で歯列を整え、前歯の周辺の歯を適切な場所に置くことで改善が期待できます。場合によれば抜歯や歯を削ることもありますし、子どもの場合は治療開始の時期も大変重要になります。この場合も医師としっかり話し合いながら、納得したうえで治療を受けるようにしましょう。

治療法3:歯周病の治療を受ける

歯ぐきの後退などが原因で歯が大きく見える場合は、歯周病の疑いもあります。歯科医院でしっかりと検査することをおすすめします。また、ブラッシングなど毎日のケアや歯科医院での定期検診も大変重要になります。

歯の大きさが気になったら歯科医院で相談しましょう

巨大歯はごくごく稀な症例ですが、歯並びなどにより前歯が大きく見えるなどのケースは多々あります。こうした場合は口腔内環境の悪化も招きます。お子さんなどの歯の大きさが気になったら、すぐに歯科医院に相談してください。

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