生まれつき小さい歯「矮小歯」による問題点とその治療法とは?

2018.03.27 healthSUE

矮小歯とは

矮小歯とは、平均的な大きさより異常に小さい歯のことを指します。矮小歯になる原因ははっきりとはわかっていませんが、しぼんだような形をしていることから歯の退化現象なのではないかと考えられています。
好発部位は前歯の隣にある「上顎側切歯」や一般的に親知らずと呼ばれる「第三大臼歯」で、いずれも退化傾向が強いと言われている歯です。また本来の歯の本数以上に生えている「過剰歯」は、そのほとんどが矮小歯とだと言えます。
矮小歯は、審美面や機能面において問題がないのであれば治療する必要はありません。しかし、日常生活に支障が出るようであれば治療を考えたほうがいいと言えるでしょう。

矮小歯によって起こりうる問題点

では、矮小歯があると具体的にどのような問題が起こるのでしょうか。ここでは、歯が小さいことによって起こりうる問題点をみていきましょう。

問題点1:見た目が悪くなる

矮小歯の問題点として一番に思いつくのは、見た目の問題ではないでしょうか。特に前歯周辺に矮小歯がある場合は注目を集めがち。見た目を気にして治療を始める方は少なくないようです。

問題点2:すきっ歯になる

小さい歯があると歯と歯の間に隙間ができることがあります。この状態は一般的にすきっ歯といわれていますが、正式には「空隙歯列」と言います。すきっ歯は矮小歯が原因でなることもありますが、頬杖や寝るときの態勢などが原因でなることもあるようです。

問題点3:噛み合わせが悪くなる

矮小歯があると歯並びが乱れやすいため、噛み合わせも悪くなりがちです。噛み合わせが悪いと、特定の歯に負担がかかる、ストレスが溜まる、食事に支障が出るなどの問題が起きることがあります。

問題点4:虫歯のリスクが高まる

特定の歯だけが小さいとその部分に汚れが溜まりやすくなります。その結果として虫歯リスクや歯周病リスクが高まり、将来的な歯の寿命も短くなることもあります。

問題点5:ブリッジの土台にできない

ブリッジの治療を行う際には、失った歯の両隣の歯を土台にします。しかし、矮小歯は歯の根が短く、強度も通常の歯に比べると劣ります。そのため、ブリッジの土台としては向かないと言えるでしょう。

問題点6:発声が悪くなる

歯が小さいことによって歯と歯の間に隙間ができると、その部分から空気が漏れ出てしまいます。これによって発声に影響が出ることもあるようです。

矮小歯の治療法

矮小歯の代表的な治療法としては、「歯列矯正」「ラミネートべニア」「ダイレクトボンディング」「セラミッククラウン」などが挙げられます。ここでは、それぞれの治療法の特徴について確認してみましょう。

治療法1:歯列矯正

矮小歯が原因ですきっ歯になっている場合や噛み合わせが悪くなっている場合は、歯列矯正によって改善することが期待できます。歯の大きさそのものは変わりませんが、歯並びを整えことでいびつさは軽減され、歯磨きがしやすくなり虫歯や歯周病のリスクも軽減されます。

治療法2:ラミネートべニア

ラミネートべニアとは、矮小歯を0.5~0.7㎜ほど削った上にセラミック製の「つけ歯」を貼りつけることで歯を大きく見せる治療法です。つけ爪の歯バージョンだと思えば想像がしやすいでしょう。天然の歯のような自然な色味を再現できます。

治療法3:ダイレクトボンディング

ダイレクトボンディングは、コンポットレジンという歯科用プラスチックをつけることで歯を大きく見せる治療法です。歯を削らずに済むのがメリットですが、着色変化が起きやすいのが難点です。なお、ダイレクトボンディングは場合によっては保険適用になることがあります。

治療法4:セラミッククラウン

セラミッククラウンは、歯に被せ物をすることによって矮小歯を改善する方法です。ラミネートベニアやダイレクトボンディングでは2㎜~3㎜ほどの隙間にしか対応できませんが、セラミッククラウンであれば大きさや形を大幅に改善することが期待できます。ただし、この治療ではかなり歯を削る必要があるので、歯科医師とよく相談するようにしましょう。

見た目に悩んでいる場合は気軽に歯科医師に相談を

矮小歯だからといって、すぐに治療に踏み切る必要はありません。しかし、日常生活に支障が出ているのであればまずは歯科医師に相談してみましょう。あなたに合った治療方法を一緒に考えてくれるはずです。

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