顎が痛む際に実践したい咬筋マッサージのやり方
顎が痛みに咬筋が関係するケース
食事や会話の際に顎が痛かったり、普段から顎のだるさを感じたりする場合は、何らかの原因で顎の筋肉である「咬筋(こうきん)」が何らかのトラブルに見舞われている可能性があります。
咬筋とは咀嚼筋(そしゃくきん)の一部で、物を噛む際に使われる筋肉であり、下顎を動かす役割を担っています。咬筋が関連して顎の痛みを感じる理由として以下の5つの原因が考えられます。
原因1:食いしばりや歯ぎしり
仕事に集中している時にグッと歯を食いしばったり、就寝中に無意識に歯ぎしりをしたりしていると、咬筋に大きな力が加わります。そのため咬筋が疲労し、痛みやだるさを感じてしまうのです。
原因2:歯の噛み合わせが悪い
歯の噛み合わせが悪いと歯の特定の箇所に力が加わってしまうため、日常的に咬筋に余計な力が入ってしまいがちです。そのため、筋肉を緊張させてしまい、咬筋にこりが生じる傾向にあります。
原因3:歯科治療の被せ物や入れ歯が合っていない
歯の治療後の被せ物や入れ歯などの形状が合っていないと噛み合わせが悪くなり、日常的に咬筋に余分な力が入りバランスが悪くなります。
原因4:食事の際の噛み方に偏りがある
食事の際に片側の歯だけで噛む習慣があると、片側の咬筋にばかり余分な力が入るため、左右のバランスが乱れます。
原因5:顎関節症
顎関節症は顎が痛かったり、顎の開閉の際にカクッという音がしたり、口を大きく開けなくなったりする症状です。顎関節症の原因としては歯の噛み合わせの問題や顎に負担をかける姿勢、ストレスなどが挙げられます。そうした症状に加えて咬筋を動かすことでより痛みを感じやすくなります。
咬筋マッサージの方法
顎の痛みなどの症状は、顔のエラの部分から頬骨にかかる咬筋、側頭部にある側頭筋のこりなどによって生じます。これらの痛みを取り除く方法として、咬筋のマッサージをおすすめします。
方法1:側頭筋のマッサージ
側頭筋は耳の上からこめかみあたりにある筋肉で、咬筋を支える働きをしています。側頭筋のマッサージの方法は、左右それぞれの側頭筋を人差し指、中指、薬指で優しく円を描くように内側から外側へと動かします。
また、少しずつマッサージする場所を変えていき、痛みやこりを感じるところをとくに念入りにマッサージしましょう。マッサージは1ヶ所につき5回程度が目安です。
方法2:咬筋のマッサージ
咬筋の位置は、左右の頬に手を当てた際に歯を食いしばると盛り上がる箇所です。咬筋は上下の歯を噛み合わせる働きをしており、それだけに疲れがたまりやすいと言えます。
咬筋をマッサージする方法は、人差し指と中指、薬指で円を描くように優しくマッサージします。さらにマッサージの場所を少しずつ変えていき、特に痛みやこりのある部分を重点的にマッサージします。マッサージは側頭筋と同じく1ヶ所につき5回程度が目安です。
方法3:口開け体操
口を開ける体操も顎の痛みの改善に効果的です。やり方は簡単で口を大きく上げ下顎を前に突き出します。数秒この状態を保ち、ゆっくりと顎を元に戻します。この際に痛みがある場合は無理をして継続しないようにしてください。
方法4:舌回し体操
舌の筋肉のストレッチも咬筋のこりを取り、顎の痛み改善に効果的です。やり方はシンプルで、口を閉じた状態で舌を左右に20回、歯に沿ってゆっくりと回します。これを1日3セットほど行いましょう。唾液の分泌も促すので口腔内環境の改善も期待できます。
咬筋マッサージの効果
咬筋はさまざまな筋肉と連動しているので、咬筋マッサージをすることで、顎の痛みなどを緩和するほかにもさまざまな効果が期待できます。
効果1:顎の痛みの緩和
咬筋や側頭筋をマッサージすると顎の筋肉の緊張を緩和し、顎の痛みやこりの緩和が期待できます。
効果2:肩こりなどの解消
咬筋は口腔内や首、肩などさまざまな筋肉と連動しているので、肩こりや首の痛み、頭痛などの解消にも有効です。
効果3:むくみの改善
咬筋へのマッサージにより、こり固まった筋肉がほぐれるため、頬のむくみの改善を促します。
効果4:食事が美味しく味わえる
咬筋がリラックスすると口の中の筋肉も緩み、舌も正常な位置へと戻ります。それにより違和感なく飲食できるため、毎日の食事が楽しくなるでしょう。
効果5:小顔・美顔効果へのアプローチ
咬筋がこると顔のエラが張って目立ちやすくなります。そのため、マッサージによって咬筋をリラックスさせることにより、エラの張りをなくすことで、小顔や美顔効果へアプローチできます。
顎の痛みが消えないときは歯科医院を受診しましょう
咬筋マッサージは顎の痛みだけでなく、肩こり解消などさまざまな効果が期待できます。マッサージの仕方も多彩なので、ぜひご自身でいろいろと試してみましょう。また顎の痛みがなかなか引かないときは必ず歯科医院で診察を受けることをおすすめします。