歯科治療に使われるセラミックの種類とその特徴について

2018.04.26 healthSUE

ハイブリッド・セラミック

ハイブリッド・セラミックは、レジンという樹脂素材にセラミックを混ぜて作成しています。セラミックを練り合わせることで、レジンの欠点である強度や耐久性を補うことができ、レジンよりも天然歯に近い見た目であるため審美性の向上が期待できます。

しかし、ハイブリッド・セラミックはセラミックほどの強度や耐久性は持ち合わせていません。そのため、負荷のかかりやすい奥歯への使用はおすすめしておらず、奥歯はセラミック、前歯はハイブリッド・セラミックなどと使い分けるケースが一般的です。

なお、ハイブリッド・セラミックとセラミックを比べると、強度、耐久性、審美性のすべてにおいてセラミックのほうが優れています。しかし、セラミックは費用がかかるため、ハイブリッド・セラミックにすることで治療費用を抑えられます。費用面はハイブリッド・セラミックが選ばれている大きな要因だと言えるでしょう。

e-max

e-maxは二ケイ酸リチウムガラスを主成分とするオールセラミックであり、金属を一切使用していません。そのため経年変化しにくく、天然歯に近い自然な色合いを長期間にわたって保つことが期待できます。色の種類は多くはないものの、透明感があるので詰め物にしたときにとてもきれいに仕上がります。

また、1種類の材料からつくられているのもe-maxの大きな特徴です。2種類の材料からつくられるものは強度が弱くなりがちであるのに対し、e-maxは大きな負荷にも耐えることができます。歯ぎしりや食いしばりがある人にも向いているセラミックだと言えるでしょう。

メタルボンド

メタルボンドは金属にセラミックを焼きつけたもので、昔から歯科治療に使用されています。その最大の特徴は耐久性で奥歯の被せ物やブリッジの治療にもしばしば用いられます。

しかし、他のセラミック素材に比べて審美面ではやや劣るため、天然歯のような自然で美しい見た目はあまり期待できません。また、歯ぐきが痩せたときに金属部分が見えてしまったり、金属によって歯ぐきが黒ずんでしまったりする可能性もあります。

そして、一番気をつけたいのが金属アレルギーです。外側がセラミックとはいえ内側は金属なので、金属アレルギーの人はメタルボンドの使用をあまりおすすめできません。

ディライトオールセラミック

歯科治療に使用されるセラミックには多くの種類がありますが、その中でもっとも審美性に優れているのがディライトオールセラミックです。ディライトオールセラミックならとても美しい仕上がりになり、天然歯とほとんど見分けることができません。

しかし、残念ながら耐久性はあまり高くありません。また、土台となる歯の状態によっては思ったような仕上がりにならないこともあります。

オールジルコニア

ジルコニアはとても耐久性の高い素材で、その特徴から「白い金属」「偽造ダイヤモンド」などとも呼ばれています。その丈夫さと使い勝手の良さから、歯の治療のみならず包丁などの素材としても使用されています。

金属素材は耐久性に優れているものの見た目に難があり、口を開けたときにどこを治療したのかが一目瞭然です。また、金属アレルギーの問題もあります。それに対して一般的なセラミック素材は美しい仕上がりになるものの、耐久性に不安があります。

そして、これらの欠点を両方ともクリアしたものがジルコニアです。ジルコニアなら色が白いため目立ちにくく、また強度があるためインプラントやブリッジの土台に使うこともできます。
しかしながら、ジルコニアの白さは天然歯の白さとはやや異なります。そのため前歯にオールジルコニアを使用すると不自然に見えてしまうことがあるので、あまり目立たない奥歯の治療に向いているといえるでしょう。

ジルコニアセラミック

ジルコニアの表面に見た目の美しさを補えるセラミックを焼きつけたものが、ジルコニアセラミックです。一般的なセラミック素材とジルコニアの両方の長所を持ち合わせており、美しい見た目ながら強度もあります。

非常にバランスの取れた素材であるジルコニアセラミックですが、治療には技術力が必要とします。ジルコニアセラミックでの治療を検討中の方は、慎重に歯科医院を選ぶようにしましょう。

自身に合ったセラミックを選びましょう

カウンセリング

上記で紹介した6種類のセラミックには、それぞれ費用や性能などの面でメリット・デメリットがあります。大切なのは、自身に合ったものを選ぶということです。歯科医師とよく相談しながら、どのセラミックが自分に適しているかをよく考えたうえで、治療する素材を選ぶようにしましょう。

あわせて読みたい

レコメンド

関連記事