歯の土台(コア)はどんな素材が良いの? 選択次第で歯の寿命が伸びる!
保険適用で装着できるメタルコアの3つのデメリットとは
神経を抜いた歯を強化する治療には保険が適用されます。保険適用の場合は、メタルコアと呼ばれる銀を主成分とする金属で作られた土台を装着して歯を強化します。しかし、メタルコアにはデメリットが多くあり、それが以下の3つです。
1.歯や歯茎が変色する
銀を主成分にして作られているメタルコアは、歯や歯茎を黒く変色させてしまうことがあります。これは、唾液の作用によって金属が溶かされ、金属イオンとなって体内に吸収されることが原因です。金属イオンが空気中の硫化物と反応して黒くなり、歯と歯茎に色をつけてしまいます。金属イオンで色がついた歯や歯茎は白く戻すのがとても難しいため、電気メスで切り取る施術が必要となることが多いです。
2.歯の根元が割れる
メタルコアと天然の歯の弾力や硬さを比較すると、メタルコアの方が天然歯に比べ硬く弾力がありません。硬いものを噛んだときや、歯に強い衝撃が加わったときなどに、衝撃を吸収しきれずに根元から歯が割れてしまう可能性があります。
3.金属アレルギーになる可能性がある
先述したように唾液でメタルコアの金属イオンが溶けだしてしまうと、金属アレルギーを起こす危険性があります。金属イオンが口の粘膜などから体内に侵入すると、徐々に身体に溜まっていき、歯茎の黒ずみだけでなく水泡の症状が全身に現れる場合があるので注意が必要です。
ファイバーコアを使う4つのメリット
コアにはさまざまな種類がありますが、なかでも「ファイバーコア(ファイバーポスト補強型レンジコア)」にすることで、以下の4つのメリットが期待できます。
1.変色を防ぐことができる
銀を主成分にして作られたメタルコアの場合は、金属イオンにより歯や歯茎が変色する可能性がありますが、ファイバーコアは金属を使わないので歯茎が変色することはありません。さらに、天然歯に近い歯を再現できるため、金属を全く使用しないオールセラミッククラウンの土台にも使用されています。
2.歯が割れにくい
天然歯の弾力や硬さとほぼ同じであるファイバーコアを使用して歯の治療をすると、硬いものを噛んだときに歯の根元が割れてしまうリスクが低くなります。
3.金属アレルギーになる心配がない
ファイバーコアはガラス繊維を束ねて作られたもので、金属ではないので金属アレルギーの心配もありません。そのため、口の中の炎症や、主に手足に出る水泡状の皮膚炎などの金属アレルギー特有の症状に悩まされることもありません。
4.歯を削る範囲を最小限に抑えることができる
口腔内に歯の土台をつくるためには、天然の歯を削る必要があります。削る範囲はメタルコアよりもファイバーコアの方が少ないので、ファイバーコアを土台に採用することで天然の歯を削る範囲を最小限にすることができます。
メタルコア・ファイバーコア装着にかかる費用は?
メタルコアは保険適用で治療が可能なので、3割負担の場合630~760円程度です。一方、ファイバーコアは保険適用外の治療なので自費です。また、自由診療のため、歯科医院により価格の差が大きく現れます。そのため一概には言えませんが、おおよそ1本あたり1~3万円ほどになります。
少しでも長く天然の歯を使うために
虫歯が進行すると神経を抜いた歯は脆くなり、劣化が早まります。少しでも天然の歯を長持ちさせたいという場合は、メタルコアよりもファイバーコアの方がデメリットが少ないためおすすめです。
治療にかかる費用は、保険適用のメタルコアよりもファイバーコアのほうが高くつきます。しかし、メタルコアで歯根が割れてしまい抜歯をするケースを考慮すると、決して高い価格ではないのではないでしょうか?
ファイバーコアで治療したいという場合は、ぜひお近くの歯科医院で相談してみてください。