ついに“口臭も見える化”! ニオイチェッカー「Kunkun body」でお口ケアを実現

2019.01.17 interviewHa・no・ne編集部

体臭を見える化する「Kunkun body」とは……!?

Kunkun bodyで実現!ニオイを嗅ぎ分ける世界初*の技術

世界初の技術

Ha・no・ne編集部 リン(以下リン)
Kunkun bodyは“体臭を見える化する”チェッカーとしての役割を持った製品とのことですが、具体的にどのようなニオイを判別できるのでしょうか?

コニカミノルタ株式会社 甲田大介さん(以下甲田さん)
Kunkun bodyは自分のニオイ、体臭と口臭がどれくらい臭っているのかを種類別にチェックすることができるニオイチェッカーです。ニオイにはさまざまな種類があり、体臭だと、汗臭、ミドル脂臭、加齢臭、お口であれば口臭。口臭の中でもミント系のニオイを嗅ぎ分けています。

リン
え、ミント系のニオイも嗅ぎ分けているのですか?

甲田さん
通常はニオイの強さに応じて指数が出ますが、ミント系のニオイは人にとって不快なものではないので、そのニオイが出てきた時は数値を低く出すように設定しています。

リン
なるほど!ニオイチェッカーはニオイの強さだけを判別するものが多いですが、嗅ぎ分けまでできるのがKunkun bodyの特徴なのですね。

甲田さん
そうです。そのニオイを嗅ぎ分けられることが、われわれが誇る世界初*の技術なのです!お口のニオイであれば、人が不快に思うか思わないかを判別することがニオイチェッカーに求められます。いくらミントのニオイが強かったとしても、「口臭レベルとしては低いですよ」としっかり制御した結果を出せるところが、Kunkun bodyのインテリジェンスな点です。

リン
すごい!世界初*の技術を貴社が実現されたんですね!その口臭の測定は10月3日からアップデートがなされているとのことですが、このタイミングで導入に至った理由は何かあるのでしょうか?

甲田さん
実は元々Kunkun bodyを出した時から、くちのニオイ測定の機能はゆくゆく入れることを公表していたのですよ。Kunkun body自体が人の身だしなみを整えるエチケットのツールとして使っていただきたいという想いが込められた製品ですが、体臭だけだと少し足らないと思っていました。口臭も気にすべきエチケットの中でも関心が高い部類に入るということで、今回のくちのニオイを測ることでやっとベースの機能が整ったと感じています。

*出典:「Kunkun body」が「世界初」であることの証明・検証調査(2018年1月12日現在) <ESP総研 調べ>(2017年12月~2018年1月 調査)

開発においてもっとも苦労したのは“人の感覚”に近づけること

苦労

リン
待望の口臭測定機能の開発に至ったのが今ということだと思いますが、Kunkun bodyで測れるニオイレベルは何段階あるのでしょうか?

甲田さん
「100分の○○」という数値になります。

リン
相当細かく計測できるのですね!他社製品だと5~10段階が多いので、こちらも大きな特徴ですね!

甲田さん
そうなんです。最初のプロットタイプの時は実は5段階しかなかったのですが、それだと1つひとつの段階の間が曖昧で非常に気になるという意見が多くありました。そのため、3桁にしない限り納得感は出ないという結論になりました。

リン
そうだったのですね。確かに3桁の数値が出ると使用者としてもレベル感がわかりやすそうですね。ちなみに100段階評価やミント系の嗅ぎ分けなどこだわりがたくさんあるとは思いますが、開発の際にもっとも苦労したことについても教えてください。

甲田さん
今も苦戦しているところではあるのですが、実際のお客さんの使用感にどれだけ近づけているかという点に関しては神経を尖らせています。Kunkun bodyはニオイの物質をセンサーが感じ取って判別する仕組みになっていて、本体の中には4つのセンサーが入っています。それぞれのセンサーがそれぞれどんな反応を示したか、そのプロセスを見てニオイの判別を行っているのですが、その判別のためには機械自体が学習することが重要なのです。

その学習の基となるデータは、人間側が定義します。たとえば、汗臭レベル4を定義し、その状態のものを機械が学習して、判別を覚えるというプロセスが必要です。これを「機械学習のプロセス」と言いますが、そのプロセスがだいたい5千回~1万回とかなりの数をこなす必要があります。

リン
そんなにパターンがあるのですね……。気が遠くなる数です。

甲田さん
そうなんですよ。その時に先ほどのように人間が設定する汗臭のレベルを間違えて覚えてしまうと正確ではなくなってしまうので、設定した定義そのものが正しいのかというところから、人体の本当の汗のニオイとすり合わせて実験するなど、平坦ではないプロセスを踏む必要があります。

リン
想像しただけで果てしないですね……。

甲田さん
そうですね。やはり使っていただく方の感覚があるので、今も常にその点を意識しながら試行錯誤を繰り返しています。

リン
Kunkun bodyの機能は、まさに地道な努力の賜物なのですね!

簡単にできる口臭チェック!

Kunkun bodyで自分に合った口臭測定と対策を

リン
ちなみにKunkun bodyでは簡単に口臭のチェックが行えるのでしょうか?

甲田さん
簡単にできます。実際やってみましょう。

測定

甲田さん
このように本体を口元の1 cmくらいまで近づけて息を吹きかけます。「ア」の形に軽く口を開いて、静かに吸ったり吐いたり呼吸をします。時間は10秒くらいです。

リン
10秒だけ!結構あっという間にできるんですね。

スマホ

結果

甲田さん
このように100分のいくつという数値で測定されます。

リン
本当に細かく出るんですね。数値の下にケアに関するアドバイスもありますが、毎回このように一言コメントが出るのでしょうか?

甲田さん
そうですね。過去は一言コメントでしたが、バージョンアップを行い、細かい解析結果に基づいたコラムへ誘導するという機能を入れました。Kunkun bodyのサイトの中で掲載しているコラムがあり、それぞれのコンテンツに「加齢臭」など細かくキーワードのタグづけをしています。対策や啓蒙の内容になっているので、お口のニオイが強い場合は対策コラムへ。あまり臭っていない場合は予防や啓蒙コラムへ誘導するという仕組みです。自分の状態に合わせた対策を推奨する機能になります。

リン
確かに口臭をチェックしても、状態を把握した後に「実際どうすればいいの?」となりますよね。対策まで教えてもらえるのであれば ものすごく親切に思えます。

甲田さん
そうですね。その先のところまでサポートできるものを提供したいと思っています。

スマホと連動したIoT製品であることの強みとは

リン
対策におけるアドバイスができるのも、スマホと連動しているという点は大きいのでしょうか?

甲田さん
そうですね。細かい技術的なことを言うと、ここで出てきた数値をサイトのサーバーにデータを送って解析をしてから結果を出しています。そのため、まさにスマホが介在してサーバーと連動しているからこそできる技術だと言えます。

リン
そうなのですね。ということは製品企画時からスマホとの連動がベースになっていたのでしょうか?

甲田さん
そうですね。せっかくのデータが本体の中だけにあるのではなく、サーバー側にデータを持ってくることでよりユーザーにカスタマイズした情報を提示したいという考えがありました。解析をしっかり行い、それぞれの方に適した情報を提供したいという考えがあったので、スマホを介在することを前提で開発を進めました。

リン
今はスマホを持っていない人の方が珍しいですし、連動することで口臭チェックがより身近になりそうですね。専用アプリをダウンロードする必要はありますか?

甲田さん
そうですね。アプリ自体は無料なので各スマホからダウンロードしていただきます。後は本体を購入していただいて、ペアリングすることで使用できます。測りたい場所を選んで測定していただけます。

選択

リン
すごいですね!これだけ測れれば全身のニオイチェックを網羅できます。ちなみに先ほど口臭はミント系のニオイを嗅ぎ分けられるとの話がありましたが、体臭の場合は香水などのニオイも嗅ぎ分けられたりしますか?

甲田さん
香水も一部判定できる機能は入れているのですが、あまりにも製品が多すぎて全部は網羅できていません。そのため、体臭をしっかり測りたい場合は、香水など何もつけていないプレーンな状態で測定することをおすすめしています。

リン
なるほど。でも口臭の場合は歯磨きした後でも測れるということですね。

甲田さん
そうですね。基本的に口の中の対策品はミントがベースになっているので、そのミントのニオイを嗅ぎ分けられれば、対策がしやすくなります。

「Kunkun body」の反響は?

原因と対策の間に「測定」というエチケットを

エチケット

リン
全国で体験イベントもされていたようですが、反響はどうでしたか?

甲田さん
はい、ロフトさんなどでやらせていただきました。ニオイが測れるツールはみなさん関心が高く、興味を持っていただきやすいので集客に関しては良かったと思います。ニオっていなければ「安心だ~」とおっしゃっていましたし、ニオっていれば「対策しなきゃ!」となるので、こちらからケア方法を案内しました。

リン
実際測ることで自分の状態がわかりますからね。Kunkun bodyで常にチェックしましょう、測って安心しましょう、というのが一番の狙いになりますか?

甲田さん
そうですね。ニオイは生き物であれば当然出てくるものなので。今までは原因がわからないけど、とりあえず対策をしていたと思います。しかし、われわれはその原因と対策の間に、「測定をする」という新しいエチケットの形をつくっていきたいと考えています。

リン
「測定することが新しいエチケット」とは具体的にどういうことでしょうか?

甲田さん
ニオっているかニオっていないか不安だから対策をするという、ある種の脅迫観念における行動だと思うのですが、その間に測定という行為を入れることによって安心感が生まれると思っています。その安心感を提供したいと考えています。すでにニオっている方に対しては測定することでエチケット意識を高め、周囲の方への配慮を促していきたいと考えています。

リン
今回の開発にあたり、「気になるけど指摘しにくいニオイ」についてビジネスマンに実際にアンケートをとったそうですね。体臭30%に比べ、口臭70%とありましたが、やはり対人する際の口臭を気にする人は多いのでしょうか?

甲田さん
実際に多いと思います。口臭の場合は体臭に比べ気になり、気にされやすいという特徴がありますよね。体臭は「あれ?」という感じですが、口臭は「うっ」というようにダイレクトに感じますから。しゃべらない訳にはいかないので、緊急度が高いですよね。自分がしゃべらなきゃいけない時にも、自分は大丈夫かなと気になりますし。

リン
確かに……。体臭は誰かわからない場合がありますが口臭はダイレクトに感じちゃいますもんね。

甲田さん
最近、職場でスメルハラスメントという言葉をよく聞くようになったと思いますが、どちらかというと自分に無頓着の方が因子になりやすいと言われるので、そういった方々が意識することによって、結果的にスメルハラスメントは減っていくはずなんですよ。気づいていただくための測定になればと思っています。今まではそういった文化がなかったので、まずはその文化をつくることによって臭いによるハラスメントがなく、お互いフラットに過ごせるのではないのかなと!職場でストレスなく過ごせるような生活をサポートしていければという想いです。

リン
ニオイを測定して可視化することで、そういった文化が定着すると良いですね。ちなみにKunkun bodyのおすすめの機能はありますか?

甲田さん
おすすめの機能は、測った結果をログで見られる点ですね。アプリで部位毎に日にち別にログを残せて見返せます。特に体臭はその人の活動にも相関するのですが、計測した時の歩いた歩数や、湿度、天気、位置などもわかります。

ログ

リン
えー!そこまでわかるんですか!?

甲田さん
そうです。その時どれだけ歩いていたのか、気温によって汗のかき方が変わってくるので、細かく日記のように残して後から見返せる点は機能として大きいと思います。それもスマホのアプリ化をしているからこそ追加できました。本体の中だけで数値が表示されても後から見返すことはできないので。

リン
確かに!この機能があれば、自分の身だしなみの管理ができますね。

価格満足!Kunkun bodyが目指す未来とは

リン
販売価格に関しては3万円と消費者としては安くはないなという感覚ですが、価格設定の理由についてもお教えください。

甲田さん
価格を決めるにあたって確かに「少し高いかな」という不安もありましたが、実は一般販売する前、昨年の7月にクラウドファンディングのMakuakeで22,000~25,000円くらいで先行予約注文を試みたところ、3ヶ月でだいたい1人25,000円くらいで1,800人ほど支援者が集まりました。このプロセスを経てこの価格でも売れることがわかったので、当初思っていた不安はなくなりましたね。後、無償でアップデートできる点も評価していただけたと思います。最初少し高いなと思っても、体臭のみから口臭も追加など、どんどん進化していくので納得していただけています。

リン
確かに無償でアップデートしていくのは嬉しいですね!それもスマホ連動ならではですよね。

甲田さん
本体を買い替えていただく必要がないというメリットがありますよね。後はやっぱり、先ほども話したニオイを嗅ぎ分けるという世界初の技術があることです。技術としてしっかり裏づけがあるのでそこも評価していただきたいと思っています。

後は時期的にはまだわかりませんが、人のニオイに関してはどんどん追加していきたいと考えております。体臭として出てくるものは、汗臭・ミドル脂臭・加齢臭以外にもたくさんあるので、分類を追加していきたいですね。お口のニオイももっと種類がありますし。

リン
ちなみに、食べ物のニオイではなく、歯周病などのニオイの判別などはできるのですか?

甲田さん
技術的にはできるんですが、歯周病のニオイなどは薬機法があるので、診断機器ではないと歯周病のレベルを出すのは難しいんですね。

リン
そうなんですね。ちなみに今までのターゲットはビジネスマン向けのイメージでしたが、今後はどんな方に使っていただきたいですか?

甲田さん
体臭チェック機能だけだった時は、中年以降の男性のエチケットツールとして考えていました。実際購入する方もその層が多い傾向にありました。ただ、口臭は性別関係なく、物を食べてるとどうしても出てしまうものなので、くちのニオイ測定機能を追加してからは、男女ともにぜひ使っていただきたいと思っています。実際、購入の傾向を見ても女性の割合が増えてきましたね。

リン
プロモーションの動画も女性を起用されていますもんね!

甲田さん
そうですね。性別関係なく見ていただきたいなと思い、女性を起用しました。以前、消臭の肌着をつくっているメーカーさんに話を聞いたことがあるのですが、消臭っていう言葉を製品につけて出すことすらマイナスイメージな時期が5~6年前まであったらしいのですが、今は消臭っていう言葉をつけないと売れないという状態らしいですよ。ニオイを消す・対策することに対して、消費者のポジティブな意識が広まっているのだと思います。口臭ケアのCMでもそういうプロモーションが増えてきました。

「ニオイからポジティブさを後押ししていきたい」

Kunkun body

リン
今後、Kunkun bodyで実現したい未来像はありますか?

甲田さん
やはりベースとなるのは、自分に自信を持っていただくというところですね。ニオイがわからないと脅迫観念にかられてしまうことがあるので。ニオイによってコミュニケーションをためらってしまうなど、ネガティブになることがあるかと思います。仕事やプライベート関係なく、その場面において不安な気持ちを解消してあげたいと考えています。その不安に寄り添い、ニオイを可視化して、ポジティブさをニオイによって後押ししていきたいですね。

リン
「ニオイでポジティブを後押ししていく」という考えは素晴らしいですね!どうしてもニオイにはネガティブなイメージがありますので。

甲田さん
同じニオイを嗅ぎ続けると慣れてしまうんですよ。ペットショップで最初にニオイを感じても、長時間いるうちに平気になってしまうように人も自分のニオイはなかなかわからないんですよね。

リン
確かにわからないです……。でも不安はありますよね。しゃべる時に口を隠しちゃいますね。でもKunkun bodyを使えば、気にせず明るくおしゃべりもできそうですね!

甲田さん
それで商談が取れるケースが増えることで出世できたなど、その人の人生に良い影響が出ることを願っています!

リン
それは素敵な未来ですね!Kunkun bodyで口臭チェックをすることが、身だしなみのケアとしてより身近なものになっていきそうです。本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

▼取材協力

コニカミノルタ株式会社 BIC(ビジネスイノベーションセンター)
〒108-0075 東京都港区港南1-2-70 品川シーズンテラス25F
Kunkun body HP:https://kunkunbody.konicaminolta.jp/

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