抜けた乳歯を再利用!?捨てずに使える意外な活用方法
抜けた乳歯がなぜ役に立つ?保存するメリットとは
乳歯が抜けるのはいつ頃?
乳歯は6歳から12歳くらいまでの間に抜け、14歳くらいまでの間に永久歯に生え替わるのが一般的だと言われています。ただし身長や体重と同様にそれぞれの子どもによって個人差があるものなので、この時期に生え替わらなかったとしても慌てることはありません。生え替わりの時期は虫歯のリスクが高まるので、歯医者さんに通いながらお子さんの歯の成長をゆっくり見守ってあげましょう。
乳歯が再生医療に利用できる!?
実は最近注目されているのが、乳歯を使った再生医療です。株式会社セルテクノロジーが登録商標している“歯髄細胞バンク”という取り組みをご存知でしょうか。抜けた歯の中にある歯髄細胞から、臓器を再生する力のあるiPS細胞(人工多能性幹細胞)をつくり出すことを目的としています。
生成方法
歯髄は歯の中央にあり、血管や神経を含むやわらかい組織です。この中にある「細胞のタネ」とも呼ばれる幹細胞を増やします。幹細胞には分裂して同じ細胞を作る能力と、別の種類の細胞に分化する能力があり、失われた体の組織や臓器を再生するのにも役立てられると考えられています。
保管方法
歯髄の保管方法は2通りあります。1つは本人や家族が病気になった時のために有料で保管しておくタイプ。もう1つは新薬の開発や再生医療の発展に利用するために、献血のように無償で乳歯を提供するタイプです。専用のHPから登録することもできますし、歯髄バンクと提供している歯科医院から施設に送ってもらうこともできます。
抜けた乳歯から幹細胞をとるのは、臍帯血や骨髄から取るよりも比較的簡単でチャンスも多い方法です。さらに年齢が若い子どもの歯の歯髄ほど元気な幹細胞があると言われています。そのため、乳歯は再生医療に適していると考えられています。抜けた乳歯を捨ててしまう前に、歯髄バンクを検討してみてはいかがでしょうか。
家で保管する時の方法と専用の保管ケースについて
乳歯を大事に保管して将来お子さんが成長した時に見せてあげたいという場合は、以下の正しい保管方法で行うとより質の良い状態で歯をとっておくことができます。
乳歯の保管のやり方
1.抜けた乳歯をオキシドールに一晩つける
2.歯ブラシや爪楊枝を使って乳歯をキレイに磨く
3.コットンやガーゼの上に置いてしっかり乾燥させる
4.ケースにしまう
また、最近は抜けた乳歯を保管するための専用ケースがあります。おしゃれな木箱のものや可愛いキャラクターものなど種類も豊富。名前入れをしてくれる工房もあるので、贈り物としても喜ばれるかもしれませんね。
すべての乳歯を保管できるタイプ
ケースの中が20本分細かく仕切られており、抜けた日付を記入できる非常に凝ったケースもあります。抜けた歯をまとめて管理できるのがメリットなうえ、すべての歯をそろえるのも楽しみの1つになりそうですよね。
1つの歯を保管するタイプ
記念に1つだけとっておければいいかなという方には、1~2個入れられるコンパクトなタイプの乳歯ケースがオススメです。幅をとらないので保管しやすく、お守り代わりに持ち歩くこともできます。
乳歯にまつわる言い伝え
日本では昔から「下の歯は屋根の上へ、上の歯は縁の下に投げると良い」という言い伝えがあります。日本各地によって方法や理由は異なりますが、元気よく成長してほしいという願いが込められているようです。
こういった風習は世界中にもあります。イギリスやアメリカでは、抜けた歯を枕の下に置いておくと歯の妖精が持っていくという言い伝えがあるそうです。チリでは抜けた歯を母親がお守り代わりのペンダントに入れてくれるという風習があります。どこの国でも、生え替わってしまう乳歯には思い入れがあるようですね。
乳歯は捨ててしまうのではなく適切な保存を
おいしいご飯を食べたり楽しく笑ったり、家族の思い出がたくさんつまった乳歯。抜けていくたびに成長がうれしくもあり寂しくも感じてしまいますよね。そんな乳歯だからこそ、使い道があるのはありがたいこと。ティッシュにくるんで捨ててしまうのではなく、何らかの形で大事なお子さんの歯を保存することも検討してみましょう。