【後編】マウスピースにセラミック…「見た目を変えたい」女性たちがたどり着く矯正歯科専門医

2019.06.18 interviewHa・no・ne編集部

美しい歯並びのためにこだわって選びたい種類や方法

矯正歯科専門医が提案する「ブラケット矯正」

ブラケット矯正



リン
そもそも矯正歯科医院と一般歯科医院では、受けられる矯正の種類に差はあるのでしょうか?

石川先生
うーん……矯正治療の種類に差はないかと思います。矯正歯科の先生の中にも、「この治療方法はなるべく避けたい」という方はいますから。

リン
医院でというより先生によって治療方針に違いが出るんですね。ちなみに石川先生が考える、効果的な矯正治療は何でしょうか?

石川先生
私としてはワイヤーを使ったブラケット矯正がより綺麗な歯列を実現できると思っています。もちろん、少し歯を動かすくらいならマウスピース矯正でも問題ありませんけどね。

リン
ブラケット矯正ですか!矯正の中では1番スタンダードな印象です。

石川先生
歯列を矯正するのに歯を抜いたりダイナミックに歯を動かしたりする必要があるなら、まず最初にブラケットを検討してみてください。

リン
実は以前『Ha・no・ne』で受けたい矯正治療についてアンケートをとったところ、マウスピースがダントツ人気だったのですが、あまりおすすめできませんか……?

石川先生
部分矯正ならマウスピースでもいいですが、人によって向き不向きがありますね。マウスピースが向かないタイプの人もいて、そういう人は部分的にワイヤーを付けないといけなくなるケースがあります。それから、マウスピースはあくまで歯をちょっとずらしたりするのに適した治療なので、歯を抜いて大きく動かすことが求められる矯正には向いていないですね。

リン
なるほど……患者さんの歯列の状態にもよるってことですね。

石川先生
あとはマウスピース治療ってすごく根気がいるんですよ。

リン
根気ですか?

石川先生
マウスピース矯正では1〜2週間でマウスピースを取り換えますよね。もし、歯列を大きく動かさなければいけなくなった場合は、膨大な量の、それこそ100個以上のマウスピースが必要になり、その度に歯科医院に通わないといけません。そうなったときに、モチベーションが続くかどうか……。でも、1度サボると最初からやり直しになってしまいます。

リン
な、なるほど……それは、たしかに根気が必要そうです(笑)。

石川先生
もちろんそれでも問題ないというなら、マウスピースでの矯正も可能です。どんな方法を選ぶにせよ、まずは歯科医師とよく相談して、治療方法を決めてほしいなと思います。

歯にダメージがある?短期間で歯列が綺麗になるセラミック矯正の危険性

セラミック矯正の危険性



リン
歯列矯正は治療に時間がかかってしまうのがネックですよね……。

石川先生
そうですね。患者さんのお口の状況にもよりますが、一般的に2年程度はかかってしまいます。

リン
そこへいくとセラミック矯正は短期間で綺麗なお口を手に入れられるため、最近人気を集めています。先生はセラミック矯正についてどうお考えですか?

石川先生
セラミック矯正や最近同じようにはやっているスピード矯正のような歯を削る治療が含まれているものは、普通の矯正治療に比べると治療期間が短いのは間違いありません。ただし、たまにアクシデントがあるんですよ!ですから積極的に提案はしませんね。もっとも、普通の矯正治療をするうえで歯の大きさのバランスなどの事情で、歯をわずかに削ることもあります。

リン
単純に治療期間を短くしたいから、という理由だけでするのは良くないということですね!やはり歯を削るのは身体にも良くありませんか?

石川先生
一般的な矯正治療のメリットは、歯を動かすだけで削ったり神経を抜いたりする必要がないところです。治療さえ終われば、健康そのままの歯を維持できます。逆にセラミック矯正で歯を削る、神経を抜く、などをすると、歯に大きなダメージが加わるのは確実です。そうすると、歯の寿命が縮まってしまうのは避けられません。もちろん、その辺の説明はどこの医院もしっかりされていると思いますが……。

リン
あとは患者さんの選択に委ねるということですね。

石川先生
もちろんそうです。ただ、私たちとしては、まずしっかりとした矯正治療で歯列を治していただいて、それから審美歯科の方で歯の色や形を整えていただけたらなと思っています!安易に歯を削ったり神経を抜いたりするのは、できるだけ避けていただきたいですね。

患者さんの協力があってこそ!矯正治療で大切なこととは

理想の歯並びは患者さんの協力があってこそ実現できる

患者さんの協力があってこそ



リン
最後に矯正治療をおこなう上で、患者さんに大切にしてほしいポイントなどがあれば教えてください。

石川先生
基本的には皆さん歯列を治したいと思って来院されていると思います。ですから、もちろん治療するのは私たちですが、患者さんにも治療に協力していただきたいです!

リン
協力ですか?

石川先生
はい。たとえば、治療中もしっかりブラッシングをする、マウスピース矯正であれば毎日決められた時間にマウスピースを装着するなどは、患者さんに積極的に協力してもらえないと、なかなか予定通りに治療が進んでいかないんですよ。

リン
たしかに!その辺は歯科医院側がどうしようもない部分ですよね。

石川先生
定期的な通院も含めて、矯正治療をするからにはどんな方法を選択するにしても、全面的に協力していただきたいですね。歯列矯正中はもちろん、終わったあともしっかりとしたメンテナンスを受けるための通院は必須ですから。

リン
治療が終わっても矯正は終わりではないですもんね。気になったのですが、1度完全に矯正が終わっても、後々戻ってしまう可能性ってあるのでしょうか?

石川先生
ケースとしてはあります。だいたいは子供のときに矯正したものが、大人になって顎の状態が変わったり、親知らずなどのきっかけから、戻ってしまうケースですね。とはいえ個人差があるので、だからこそ定期的なメンテナンスが必要です。

リン
矯正治療は治療が終わったあとも常にメンテナンスの意識を持って、歯科医院で診察を受けた方が良いということですね!本日は貴重なお話をいただき、どうもありがとうございました!

▼取材協力
いしかわ矯正歯科
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