口臭がある人ほど自覚なしって本当? 口臭の原因と対策をおさらいしよう
知っておきたい!口臭の原因と対策
「口が臭い人ほど自覚がない」と言われるのはなぜ?
巷では「口臭がある人に限って気付いていない」などと言われることがありますが、その理由はどこにあるのでしょうか。まず考えられるのは、本人が自分の口臭に慣れてしまっているということ。人は同じ匂いを嗅ぎ続けると鼻が慣れ、匂いを感じなくなるそう。口臭がある人は24時間その匂いを嗅ぎ続けているため、自分では気付かなくなっているのかもしれません。
また、自分に口臭があると自覚していれば、ほとんどの人は改善しようと対策するはず。周りの人が頻繁に「臭うな」と感じていてもなかなか改善されない場合は、本人が無自覚な可能性が高いようです。
オーラルケア用品を販売するパナソニック株式会社の調査によると、「自分の口臭が気になったことはあるか」という質問に対して「気になったことがない」と回答した率が最も高いのは50代男性(36%)。一方で、「特に口臭が気になった相手」として最も票数を集めたのも50代男性(20%)でした。この結果からも、口臭がある人ほど自分の匂いに無自覚・無頓着なことがうかがえます。
口臭の原因とは?
口臭の原因は、ほとんどの場合口腔内にあると言われています。口腔内から生じる口臭は歯周病や虫歯のほか、歯間や歯茎の間に歯垢が溜まったり、舌の表面に舌苔(ぜったい)が付着したりすることによって起こります。
歯垢も舌苔も、その正体は食べカスなどをエサにして増えた細菌の塊。口腔内で細菌が増殖すると、揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれる悪臭を放つガスが作られるため、口臭が発生するのです。
口臭は健康とも密接に関わっている
しかし、口腔内に虫歯や歯周病などのトラブルがなく、歯磨きや舌苔の除去をきちんとおこなっていても口臭が発生することがあります。その場合多いのが、寝起きや緊張時、空腹時などに起こる生理的口臭というもの。一時的に唾液の分泌が減少し、細菌が増殖することによって起こります。
また、口腔内の癌(舌癌、頬粘膜癌等)、副鼻腔炎(蓄膿症)などの鼻・喉の病気、呼吸器系や消化器系の病気によって口臭が発生することも。口臭が病気のサインになっている可能性もあるため、口腔内トラブルがないのに口臭が続くときは病院を受診しましょう。
自分の口臭をチェックする方法
自分では気付きにくい口臭ですが、セルフチェックの方法がいくつかあります。自分に口臭があるか確かめたい方はぜひ試してみてください。
ビニール袋に息を吹き込んで嗅ぐ
小さめのビニール袋に息を吹き込み、中の空気の匂いを確かめてみましょう。ただの空気を入れたビニール袋を別に用意して二つの袋を嗅ぎ比べると、口臭があるかどうかわかりやすいはずです。
唾液の匂いを嗅ぐ
舌の上や歯と歯ぐきの間を指で触り、唾液を付着させます。そのまま30秒ほど待ち、指が乾燥したら匂いを嗅いでみてください。唾液がついていない指と比べて「臭い」と感じたら、口臭が発生している可能性があります。
市販の口臭チェッカーを使う
口臭をより客観的に確かめたいなら、市販の口臭チェッカーを使ってみましょう。数値で確認できるので、セルフチェックではわからないと感じる方にはおすすめです。
口臭を予防する方法とは
口臭を予防するには、まず虫歯や歯周病といった口腔内のトラブルを治療する必要があります。放っておくと病気の悪化とともに口臭もどんどん酷くなるため、症状がある方は早めに歯科医院を受診してください。できれば自覚症状がなくとも定期的に歯科検診に足を運び、トラブルを未然に防ぎましょう。
また、普段から正しいオーラルケアで歯間や歯と歯茎の間の歯垢をしっかり除去し、口臭の原因を作らないことも大切です。丁寧な歯磨きはもちろん、フロスや歯間ブラシで歯間をケアしたり、舌ブラシで舌苔を除去したりする習慣をつけたいですね。
ストレスや体調の悪化から唾液の分泌が減り、口臭が強くなることもあります。規則正しい生活で健康維持を心がけるとともに、水分をこまめに摂る、ものをよく噛んで食べるなどして、唾液の分泌を促しましょう。
いつでも「爽やかな息」を目指そう
コミュニケーションにおいて大きなマイナス要素となってしまう口臭ですが、普段のケアや治療によって予防・改善することは可能です。ぜひ原因と対策をしっかり理解し、口臭ケアに努めましょう。
【ライター紹介】 小晴(こはる)
出版社での美容雑誌編集、web制作会社でのライター業を経て、フリーライターとして活動中。「文章を通してひとの暮らしをよりよくする」をモットーに、美容からライフスタイルまで、女性向けを中心に幅広い分野の記事執筆を手がける。2018年より唐突にパーソナルカラーの世界にハマり、イエベメイクの研究に日々勤しんでいる。現在は化粧品検定1級の取得を目指し奮闘中。