歯科衛生士が教える!お口の中も夏バテで「歯周病」にかかりやすい理由と対策~ちぃ先生の手記第70回~

2019.08.24 dhちぃ先生

自覚症状が少ない「歯周病」だからこそ発症する前に対策を!

夏に「歯周病」のリスクが高まる理由と原因

夏バテ



食欲がない、身体がだるい……といった症状を感じる「夏バテ」は誰もが、一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
実は、ちぃは夏バテになりやすく、体調だけではなくお口の健康にも影響を及ぼすと知って以来、早急に対策する必要性を実感しました。この夏バテこそ、夏に歯周病のリスクが高まる原因にもつながっているんですよ。それでは、メカニズムについて迫ってみましょう。

(1) 唾液の分泌量が減少し、自浄作用が弱くなる
身体の抵抗力が落ちると、唾液の分泌が少なくなる傾向があります。唾液には口内の洗浄作用や抗菌作用があるため、唾液の分泌が少ないと、歯周病菌が活発に活動して、歯周病が進行してしまう恐れがあります。

(2) 体の免疫機能が低下する
夏バテによって体の免疫機能が低下すると、日和見感染といって、普段ならなんでもない菌に対する抵抗力も落ちてしまいます。そのために風邪をひく、口内炎や口の周りのヘルペスなどができてしまうといった恐れがあります。また、この免疫機能の低下により、歯周病菌の働きが活発になり、口臭がひどくなってしまうというリスクも考えられます。

歯周病にかかるとどんな悪影響が発生するの?

歯周病



歯周病は、簡単に言うと「歯が抜けてしまう病気」です。歯の周りには歯槽骨という骨があり、歯周炎に罹患すると、歯周ポケットから菌が進入し歯槽骨を溶かしてしまいます。歯槽骨が溶けてしまうことで、歯の土台がなくなり、抜けてしまうこともあるでしょう。
ひどい歯周炎になる前には、骨まで進行していない「歯肉炎」というサインが出ますので、早めに対処しておきましょう。歯肉炎は、永久歯が生えそろってくる小学5年生くらいから症状が出始めます。そんなに早いうちから症状が出始めるというのは、意外に感じるのではないでしょうか。
このように、歯周病はいつ誰にでも起こりうる病気ですので、とにかく毎日のケアが大切です。

歯周病の症状

・歯ぐきがムズがゆい
・口の中がネバネバする
・歯ぐきが腫れる
・口臭が発生する
・歯ぐきから出血する
・歯ぐきから膿が出る
・硬いものが食べづらい
・歯が伸びたように感じる
・歯がグラグラゆれる


症状としては上記のものが、進行度によって上から順に起こりえます。※感じ方には個人差があります。
しかし、歯ぐきが腫れ、出血していたとしても、痛みを感じないのが歯周病の特徴です。そのため、気が付いたときにはかなり進行していることも少なくありません……。
歯周病により、歯が抜けてしまうと治療費の負担が増え、治療期間も長くなってしまいます。そうなる前に歯周病を発見するためにも、定期的な検診を受けることが大切だといえますね。

夏だからこそ注意したい歯周病ケア対策

夏野菜



まずは夏バテにならないよう、体調を整えることが大切です。夏にはトマトやナス、きゅうりなどの夏野菜が豊富に出回りますよね。旬の夏野菜で水分や、ミネラルおよびビタミンを補給するといいでしょう。
また、室内と室外との温度差が原因で夏バテを引き起こしやすいため、冷房の設定温度はあまり下げすぎないよう気をつけましょう。

夏場は暑さをやわらげ、かいた汗の分の水分を補給するためにも、飲み物が欲しくなりますよね。もしも冷たい飲み物が欲しくなったら、清涼飲料水などは避け、なるべく水やお茶にしましょう。清涼飲料水には砂糖や酸味料など虫歯菌の好む成分が含まれているためです。水であれば、歯周病や虫歯を気にする必要も少なくなりますね。

また、夏休みに入って気分が高まり、夜通し遊んでしまうなんてこともあるのでは?ところが、十分な睡眠をとるのは、口だけでなく身体全体の健康を守るのに欠かせないことです。オールナイトで遊んでしまうと、夜の歯みがきを怠ってしまう可能性もあります。気分が高揚していても、節度を守ってほどほどにし、歯みがきを忘れないようにしましょうね。

歯磨き


❤ちぃ先生から一言❤夏バテ予防で、夏の歯周病リスクを減らそう!

夏バテと歯周病リスクの関係や、歯周病を防ぐために気をつけたいことなどを紹介しました。夏バテが歯周病にも関係しているとは意外だったのではないでしょうか?歯周病は自覚症状が出にくく、一度進行してしまうと元に戻すのが困難という恐ろしい病気です。
毎日のセルフケアと定期的な検診で、歯周病を進行させないように気をつけましょうね!

【ライター紹介】 ちぃ先生
ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha・no・neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ~美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋~
・ちぃ先生の手記まとめPART2 ~美容テク&お口の健康講座~

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