虫歯と歯周病では予防のための歯磨き粉が違う!正しい選び方でケア率アップ

2019.06.10 healthHa・no・ne編集部

歯磨き粉選びのさい注目すべきポイントとは?

虫歯予防におすすめの歯磨き粉

歯磨き粉

虫歯になりやすいから虫歯予防を優先したいという人におすすめなのは、フッ素入りの歯磨き粉です。最近ではフッ素入りの歯磨き粉が数多く販売されているため、選択肢も多く選びやすいのではないでしょうか。

フッ素の働きとしてはまず、酸の生成を抑えるというものが挙げられます。歯に溜まってしまった歯垢に住み着いている細菌は糖質(主に砂糖)をエサとして酸を生成し、この酸が虫歯を引き起こします。フッ素は酸の生成を抑え、細菌の働きを弱める働きがあるので、虫歯を予防するのに効果的です。

また、歯の再石灰化(溶けたカルシウム分を再び歯に戻す作用)を促進するのもフッ素の大きな役割です。歯は脱灰と再石灰化を繰り返しており、再石灰化によってダメージが修復されます。フッ素にはリン酸カルシウムの反応性を高める作用があるため、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで虫歯のない健康な歯をキープすることができますよ。虫歯予防のために砂糖の摂りすぎや、だらだら飲食することを控え、食べたらフッ素入りの歯磨き粉でのケアを心がけてくださいね。

歯周病予防におすすめの歯磨き粉

虫歯以上に頭を悩ませる人が多いのが、歯周病ではないでしょうか。日本人の約8割は歯周病または歯周病予備軍だといわれており、歯を失う理由としては第1位というデータもあります。歯周病の特徴は「silent disease」と言われるように、痛みがなく静かに進行していきます。腫れや痛みを感じた時には症状が進行しているので、少しでも不安があるのであれば早いうちから対策する必要があるといえるでしょう。

歯周病予防をしたい人におすすめなのは、殺菌作用や抗炎症作用がある歯磨き粉です。

歯周ポケットを清潔に保ち、歯周病になりにくい口内環境をつくるために、殺菌作用のある薬用成分IPMP(イソプロピルメチルフェノール)や塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウムなどを含んだ歯磨き粉が効果的です。もちろん、これらの成分が含まれている歯磨き粉を使ったからといって菌が全ていなくなるわけではありません。しかし、菌の増殖を抑えるには効果的だといえるのではないでしょうか。

歯周病は歯周組織に炎症が起きることがあげられます。初めは歯茎の炎症から始まり、それが悪化すると歯根膜や歯槽骨まで炎症を起こしてしまいます。そして、これを予防できるのが抗炎症作用のある歯磨き粉。トラネキサム酸含有の歯磨き粉なら、炎症を予防すると同時に出血も抑えることができます。

歯周病は多くの成人がかかっている病気です。すでに痛みを感じているかたは早めに受診することをおすすめします。

知覚過敏におすすめの歯磨き粉

冷たいものが歯にしみるという方は知覚過敏の症状の現れです。知覚過敏の症状がある方はまず、研磨剤が入っていない歯磨き粉を選びましょう。

研磨剤は歯の表面に付いた色素を落とすのには効果的ですが、毎日使用していると歯の負担が大きくなり、歯の表面が削れてしまうため知覚過敏になるといえます。

「きちんとデンタルケアをしているのに知覚過敏になった」という人は、もしかしたら研磨剤入りの歯磨き粉を使って必要以上にしっかりと歯磨きをしていることが原因かもしれません。

研磨剤不使用でなおかつ、知覚過敏からくる痛みを軽減してくれる働きのある硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが含まれている歯磨き粉が効果的でしょう。「知覚過敏用」と謳っている歯磨き粉を選ぶのがおすすめです。症状が続くようであれば、歯科医院でフッ素物を塗布してもらうなどもおすすめです。

着色予防におすすめの歯磨き粉

着色予防に重点を置きたい人におすすめなのは、ホワイトニング用歯磨き粉です。ホワイトニング用歯磨き粉にはポリエチレングリコールやポリリン酸ナトリウムなどの薬用成分が含まれており、これによって歯の表面の着色汚れを取り除いてくれます。歯の着色汚れを化学的作用で柔らかくして浮かび上がらせ、ブラッシングで取り除きやすくします。しっかりとしたブラッシングが肝心です。

ただし、ホワイトニング用歯磨き粉は歯科医院で受けるホワイトニングとは大きく異なります。ホワイトニング用歯磨き粉はあくまでも着色汚れを取り除くことで歯を白くするもののため、加齢や神経を取ったことなどによる歯の黄ばみなどはどうにもなりません。着色汚れ以外が原因の場合は、歯科医院のホワイトニングを検討する必要があるといえるでしょう。

自分に合った歯磨き粉を選んで正しいケアを

歯磨き

「歯磨き粉」と一口でいっても、それぞれ含まれている成分は異なります。ドラッグストアやスーパーで歯磨き粉を購入するときには、必ず説明書きなどを読むようにしましょう。

自分の症状に合った歯磨き粉を選べば、それだけ効率的なデンタルケアがしやすくなります。まずは、何を優先したいかを考えてみてはいかがでしょうか?

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