唇の白いできものは口唇がんかも?症状・特徴・対処法を解説
唇にできる口唇がん!その症状と特徴とは
知っておきたい口唇がんの主な症状
硬結(こうけつ)
口唇がんの代表的な症状の1つである硬結は、がん細胞の一部が徐々に硬くなっていくこと、また硬くなった状態を指します。口唇がんの場合は、いびつな円形状に硬結します。
乳頭状・イボ状に変形
組織の一部がいびつな円形状に硬結したら、続いてそれらが乳頭状あるいはイボ状に変形していきます。そのため、徐々に唇の表面がボコボコになります。
潰瘍になり一部が白くなる
唇の一部が乳頭状・イボ状に変形した後、それらは潰瘍(かいよう:組織の欠損)になります。このとき、潰瘍の一部が斑状に白く変色します。
出血・痛み・分泌物
潰瘍が悪化すると出血や痛みが発生し、潰瘍部分から膿のような分泌物が出ることがあります。
口唇がんの特徴とは
下唇で発症することが多い
口唇がんの8~9割が下唇で発症しています。これは、上唇よりも下唇のほうが「刺激が伝わりやすい構造」になっているからと言われています。ただし、上唇は下唇よりもがん細胞の発育が早いようです。
悪性度が低い
体内にできたがんに比べると、口唇がんは悪性化する可能性が極めて低いと言えます。目に見える部位に発症するためがんの発見が容易なこと、そのため体内にできるがんよりも早期に治療を開始できることがその理由です。体内のがんに比べると摘出も簡単で、5年後の生存率は90%以上というデータがあります。
高齢になるほど発症率が高い
口唇がんの発症率は高齢になるほど高いとされています。特に発症率が高い年代は、50代と70代です。
女性よりも男性に多い
口唇がんは女性よりも男性に多いがんです。男女の割合を比較してみると、おおよその男女比は8:2。圧倒的に男性の発症率のほうが高いということが、データから読み取れます。
口唇ヘルペスに似ている
ごく初期の場合は口内炎や口唇ヘルペスなどに症状が似ていることから、間違われやすいので注意が必要です。これらは12週間程度で完治しますが、口唇がんの場合は治療しない限り自然に治癒することはありません。症状が長引く場合は、なるべく早めに医師に相談しましょう。
口唇がんを招く原因は?
口唇がんのハッキリとした原因はわかっていませんが、タバコをよく吸う人や日光を長時間浴びている人に症状がみられることが多いことから、タバコに含まれる有害物質や、紫外線が関係しているのではないかと言われています。また、過度な飲酒も発症リスクを高める原因になると考えられているため、気をつけたほうがよさそうです。
口唇がんにならないために!普段から出来る対策とは
根本的な対策は3つあります!
唇の紫外線対策をする
長時間日光に当たるようなシーンをできるだけ避けることが賢明です。「唇に紫外線を当てない」というのは難しいと思うので、長時間日光に当たることが想定される場合はUVカットリップクリームなどを使用しましょう。現在は、男性用のUVカットリップなども販売されています。
タバコを吸わない
口腔がん全体を通して見てみると、「喫煙者は非喫煙者の約7倍も発症率が高い」というデータが出ています。特に口腔がんの症状が現れた場合は、すぐに禁煙することが推奨されます。
アルコールの摂取を控える
他の病気と同様、アルコールの摂取を控えることも重要です。喫煙習慣もあり飲酒もするという人は、特に注意が必要。タバコに含まれる “発がん性物質”がアルコール作用により口腔内で溶け出してしまい、口腔粘膜に浸透してしまうため発症するリスクが高くなります。
自覚症状を見逃さないようにしましょう
口唇がんは日本人の発症率がとても低い病気ですが、唇に違和感があっても口内炎やヘルペスと勘違いして放置してしまうことも少なくないようです。がんはがん細胞の発見が早ければ早いほど治療もしやすいため、なるべく自覚症状を見逃さないようにして、唇に違和感がある場合は早めに医師に相談するようにしましょう。