インプラント周囲炎にかからないためのケア方法とは?

2017.09.29 health福本春香

インプラント周囲炎とは

天然歯の場合、磨き残したプラークが原因で歯肉炎になります。インプラントも同じで、ケアが行き届いていないと埋め込んでいる部分の歯ぐきや骨に炎症が起こります。細菌に対する抵抗力も天然歯と比べて弱く、進行が早いところがやっかいなところ。インプラント周囲炎は、進行状況によって2段階に分けられます。

・インプラント周囲粘膜炎…インプラント周囲の粘膜にのみ起こる炎症で、この段階でケアをしていけば問題ありません。
・インプラント周囲炎…周囲粘膜炎がさらに進行して、インプラントを支えるあごの骨にまで炎症が達してしまった状態です。

インプラント周囲炎を放置すると出血や噛んだ時の痛みがあり、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。また、細菌の増殖により口腔内の環境が悪化し、ほかの歯や歯ぐきにも炎症が起こりやすくなります。そうならないためにも、インプラント処置を行ったあとは、より入念なケアが必要なのです。

インプラント周囲炎を予防するケア

インプラントは天然歯と比べてとてもデリケートなので、治療前と同じケアだけでは不十分と言えます。まずは歯科医院でしっかりと説明を受けたうえで、口腔内に合わせたケアを取り入れていきましょう。インプラント手術後に必要なケアには、主に次のようなものがあります。

歯科医院でメンテナンスを受け続ける

定期的なメンテナンスでは、お口の中の状態をくわしく知ることができます。どこにプラークがたまりやすいのか、どんなデンタルケアグッズを使用すればいいのかなど、歯科衛生士が丁寧に指導してくれる点がメリットです。また、必要があればレントゲン撮影で顎の骨をチェックすることもあります。しっかり磨いたと自分では思っていても、プラークが残っているなんてよくある話。それを定期的に除去することがトラブルを予防することにつながります。

歯ブラシで歯と歯ぐきの間を丁寧に磨く

インプラント処置後は、正しい歯磨きを実践することでトラブルを防ぐことにつながります。普通の固さの歯ブラシを使って、歯と歯ぐきの境目に溜まりがちな汚れを除去することを意識しましょう。歯と歯ぐきの隙間に歯ブラシの毛先をくい込ませて、細かく動かしましょう。

デンタルフロスを使用する

歯と歯の間だけではなく、歯ぐきの中までしっかりとプラークや歯周病菌をからめとることができるのがデンタルフロス。歯肉炎を防ぐのにとても効果的です。手巻きのものやスーパーフロスなどいろいろな種類があるので、歯科医院で使い方を相談してから使用してみてください。

歯のトラブルを防ぐための習慣づくり

歯磨きなどのオーラルケアを毎日行うことはもちろんですが、インプラント周囲炎や歯周病といった歯のトラブルを未然に防ぐ点においては、生活習慣を見直すことも大事なポイントです。普段の生活からできることばかりなので、チェックしてみてください。

さまざまな歯のトラブルの主な原因であるプラークは、糖分をエサに増殖します。甘い物やお菓子ばかり食べる糖分過多の偏った食生活は糖尿病のリスクも高まるので、バランスのよい食事を心がけましょう。

タバコに含まれるニコチンは体の免疫力を低下させます。病気に対する抵抗力自体が落ちてしますので、歯周病やインプラント周囲炎を引き起こす可能性が高くなるだけでなく、治りにくいという悪循環につながってしまいます。口腔内環境を悪くすれども、決してプラスになることはないので、禁煙することをおすすめします。

インプラントを長くいい状態で維持しよう!

せっかく時間とお金をかけて入れた大切なインプラント。できるだけ長く、そして健康的に付き合っていきたいですよね。インプラント周囲炎にならないように、生活環境も見直しつつ、こまめなケアを行っていきましょう。

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