唇に白いブツブツができた際の適切な処置とは
唇に白いブツブツができてしまったら
唇の白いブツブツの正体とは
唇に白い粒のようなできものが複数集まっており、特に痛み・かゆみを感じない場合、「フォアダイス」の可能性が考えられます。フォアダイスは、もともと皮膚の表面にある脂腺という組織です。脂腺は毛根近くにあり皮膚に皮脂を分泌する役割をしています。
これが何らかの理由で毛根がない部位にもあらわれ、皮脂を排出できず白っぽい塊となってしまったものがフォアダイスとなります。ニキビができる原理にも少し似ていますよね。唇のほかに男性器にもできやすく、成人男性の約7割にみられると言われています。
「どこか別の部位や人に感染してしまうのでは……」と不安になるかもしれませんが、その心配はいりません。フォアダイスに感染性はなく、特別な治療が必要なものでもありません。基本的には脂肪の粒は吸収され、自然と消えてしまうことが多いようです。
どんな対処法が適切なの?
放置しても特に問題はないフォアダイスですが、唇にできると目立ちますし、どうしても気になってしまいますよね。かといって無理やりつぶしたりしてしまうのは厳禁です。症状を改善したい場合は、以下のような適切な方法で対処しましょう。
対処法1:皮膚科や美容外科で治療を受ける
フォアダイスは、美容外科や皮膚科などの医療機関で専門的な治療を受けることができます。レーザーを当てたり電気メスを使用したりして除去する方法が一般的であり、即効性が期待できます。ただし保険適用の治療ではないので、費用はやや高くなります。
塗り薬による治療の場合は保険適用なので費用面は安くなりますが、症状が改善するまで少し時間がかかります。医師からしっかり説明を受け納得したうえで、自分に合った治療を選択するようにしましょう。
対処法2:ビタミン不足を補う
唇や口のまわりは、ビタミン不足による影響があらわれやすい部位です。フォアダイスができる要因のひとつとして、ビタミン不足で荒れてしまった皮膚を、皮脂腺を増やすことで守ろうとしていることが考えられます。特に意識して摂取したいのはビタミンB2とビタミンB6。これらが多く含まれる、次のような食材を積極的に摂るようにしましょう。
・ビタミンB2を多く含む食材
うなぎ、納豆、牛乳、レバー、明太子
・ビタミンB6を多く含む食材
唐辛子、かつお、にんにく、まぐろ、鶏肉
対処法3:唇の乾燥を防ぎ清潔に保つ
唇は皮が薄く、とても乾燥しやすい部位です。カサカサになるのを防ぐために、日頃から保湿性の高いリップクリームを塗るなどしてケアしましょう。また不衛生にしていると細菌やウイルスが繁殖しやすく炎症の原因にもなるので、清潔に保つよう心がけてください。
フォアダイス以外に考えられる白いブツブツの原因
フォアダイスの場合は放置していても大きな問題は起こりませんが、痛みをともなう場合は次のような病気である可能性も考えられます。
原因1:口唇ヘルペス
唇に白い水泡ができ、ピリピリとした痛みをともなう場合、「口唇ヘルペス」かもしれません。ヘルペスウイルスは一度感染すると、ストレスなどで体の抵抗力が弱まったときに発症します。人から人へうつり、コップやタオルを共有することで接触感染します。子どもが発症した場合は重症化しやすいので、注意が必要です。白いブツブツに痛みがあったり、だんだん赤く腫れてきたりした場合には、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。
原因2:アレルギー性皮膚炎
食品や化粧品、ハウスダストやダニなどの影響でアレルギーを発症した時、唇や口のまわりに炎症やかゆみを伴うブツブツができることがあります。この場合、皮膚科で検査をして何に対してアレルギーが出たのかを調べてもらいましょう。
原因3:粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は老廃物が排出されず溜まってシコリとなったものです。通常は耳やわきの下にできることが多いのですが、まれに唇にもできることがあります。自然になくなることはなく、だんだん大きくなってくるのが特徴なので、すぐに皮膚科に行って治療しましょう。
異変に気づいたら早めに対処を
唇にできものができてしまうと、人前に出る際には特に気になりますよね。メイクをする女性なら、なおさら健康的でプルプルの唇でいたいものです。だからこそ、日々鏡でチェックして異変を感じたら、早めに対処するように習慣づけましょう。