いびきの治療は歯科医院?マウスピースで不眠解消

2018.06.16 healthSUE

知っておきたい、いびきが起こる原因

いびき

いびきは、何らかの理由によって睡眠中に気道(呼吸するための空気の通り道)が狭くなることが原因で起こります。狭い気道を空気が通って喉の粘膜が震えるときの振動音が、耳障りないびきの正体です。

気道が狭くなる理由は、多岐にわたります。真っ先に挙げられるのが生活習慣であり、就寝前の飲酒や喫煙、睡眠不足による疲労、強い精神的ストレスなどはすべていびきの原因になり得ます。また、顎の大きさもいびきと関連があることがわかっています。いびきに悩む若い女性は顎が小さいことがいびきの原因になっているかもしれません。

その他、肥満や口呼吸、扁桃腺の腫れなども気道の狭窄につながります。生まれつきの体質と生活習慣の両方がいびきの原因と考えられます。

いびきを放置すると危険な理由とは

顔を覆う女性

いびきに関しては「うるさくて迷惑」というイメージを持っている人が多いかと思います。しかし、いびきの弊害はそれだけではなく、体に悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。

いびきによる悪影響

いびきによる弊害の1つは、不眠がちになることです。いびきをかきながら寝ていると一見すると熟睡しているように見えますが、実際には呼吸が抑制されてしまっているため、浅い眠りになることが少なくありません。そのため、疲れが取れにくくなり、集中力や記憶力が低下し、さらに精神が不安定になりやすくなります。

また、いびきをかく人は高血圧症や循環器障害、心疾患、脳卒中、糖尿病などの病気になりやすいと言われています。さらに、性機能にも悪い影響があるようです。

怖い病気の可能性も?

いびきがひどい場合や長期間にわたっていびきが続く場合は、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時にいきなり10秒以上呼吸が止まる病気です。自覚しにくい病気ではありますが、日本における潜在患者数は300万人以上だと言われています。

睡眠時無呼吸症候群は自覚症状こそないものの、日々の生活にさまざまな影響を及ぼします。そのため、もしかしたらと思ったら早めに検査・治療することが大切です。

歯科医院でできるいびき治療

スリープスプリント

歯科医院でいびきや睡眠時無呼吸症候群の治療を行う場合は、「スリープスプリント」と呼ばれるマウスピースのような装置が使用されます。これを就寝時に口腔内に装着することによって下顎をやや前方に固定し、気道の閉塞を防ぎます。

スリープスプリントのメリットとしては、外科的な処置を行わないため体に負担がかからないことが挙げられます。また、睡眠時無呼吸症候群だと診断された場合は保険適用になるため、安価で治療を受けられます。

その一方で、スリープスプリント装着後は話すことができない、人によっては大きな違和感を覚えるなどのデメリットもあります。さらに誰にでもおすすめできる治療ではなく、ひどい歯周病を患っている人や歯の数が少ない人、顎関節に異常がある人、鼻呼吸ができない人は、治療効果をあまり期待できません。

スリープスプリントによる治療で効果が見込めるかどうかを判断するためには、医師による診察が不可欠です。いびきを治したいという人は、まずは歯科医院で相談してみることをおすすめします。

普段のいびきが気になる人は早めの治療を

いびき

いびきは周囲の人に迷惑をかけるだけではなく、体にさまざまな悪影響を与えます。また、単なる疲れによるものではなく、睡眠時無呼吸症候群という病気を患っている可能性もあります。「たかがいびき」と軽視してしまいがちですが、自分の健康を守るためにも、いびき治療に取り組んでみてはいかがでしょうか。早めの治療をおすすめします。

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