歯が欠けたときは”牛乳保存”?知っておきたい対処法

2018.10.07 health福本春香

あなたも危険!?歯が欠けてしまう原因

歯科治療

歯は体の中で一番硬い箇所ではありますが、何らかの事故で強くぶつけてしまうと根元から折れたり欠けたりする恐れがあります。また硬い物を噛んだときにも欠けてしまうことがありますが、健康な歯の場合はそのリスクはほとんどありません。食べ物で歯が欠けてしまうのは、もともと以下のような問題があることが考えられます。

原因1:もともと虫歯だった

虫歯に冒されていると歯や歯ぐきが弱ってしまうため、その歯と周囲の歯が欠けやすい状態になります。また虫歯治療をして削った歯も天然歯よりもろくなっているので、欠けやすくなる傾向があります。

原因2:神経が通ってない歯だった

治療などで神経を抜いた歯は、栄養が行きわたらなくなりスカスカの状態になります。すると歯にしなりがなくなり、衝撃を吸収しにくくなります。そのため少しの衝撃でも大きなダメージを受け、欠けやすくなってしまうのです。

原因3:歯ぎしりや食いしばりの習慣がある

歯ぎしりや食いしばりは無意識に行う傾向にあるので、力の加減がなされておらずかなりの負担が歯にかかってしまいます。そういった負担を日常的に受け続けることで、歯や歯ぐきが弱って欠けやすくなることがあります。

原因4:エナメル質が弱っていた

お酢や柑橘類、ビタミンCのサプリメントなど酸が強いものをかなり頻繁に食べ続けていると、酸によるダメージでエナメル質が溶けてしまうことがあります。この状態も、歯が欠けやすいと言えます。

歯が欠けたときの正しい対処法

乳製品

万が一歯が欠けてしまった場合、パニックになって該当箇所を過度に触れてしまいがちです。しかし、欠けた歯をむやみに洗浄したりくっつけたりしようとすると、取り返しがつかないことになる可能性もあります。そのため、欠けた場合は以下のような正しい方法で、慌てず対処しましょう。

対処法1:欠けた部分は触らない

歯が欠けた部分は違和感があり、ついつい気になって指や舌で触りたくなってしまいます。しかし、触ることでグラグラする状態が悪化したり、菌が入って感染したりしてしまうことがあります。するとその後の治療にも悪影響が及んでしまうので、歯科医院に行くまではむやみに触らないよう意識しましょう。

対処法2:欠けた歯は生理食塩水か牛乳で保存する

欠けた歯は保存状態が良ければ元通りにくっつけられる可能性があります。そのため、捨てずに歯科医院へ持っていきましょう。その際、人間の口の中の状態に近い生理食塩水か牛乳につけておくと、良い状態で保存できます。水で洗ったり消毒液につけたりすると歯根膜の細胞が傷ついてしまうので、洗わずにそのまま保存しましょう。生理食塩水も牛乳もない場合は、舌の裏に歯をそっと入れたまま歯科医院まで運ぶことで、状態をキープできます。

対処法3:すぐに歯科医院を受診する

欠けた歯をくっつける場合、早ければ早いほど再植できる可能性が高くなります。60分以内に歯科医院で治療を受けられると、予後が比較的良いそうです。またぶつけて欠けた場合、かなり大きな衝撃が歯に加わっているため、歯の神経や根元などもしっかり診てもらう必要があります。またダメージが小さい場合でも、放置せずに必ず受診するようにしましょう。

欠けた歯の治療法

前歯などが欠けてしまった場合、目立つ場所なので元通りの見た目を取り戻したいですよね。そのため、歯が欠けたときの治療法をいくつかのパターンに分けて紹介します。

治療法1:欠けた歯があるとき

歯科用の接着剤を使って欠けた歯を元の部位にしっかりとくっつけます。審美的にも回復し、歯も自分の歯をくっつけるので機能的に回復が見込める方法です。また、自費診療にはなりますが、治療法がシンプルなので基本的に安価で受けられます。

治療法2:欠けた歯がなくなったとき

コンポジットレジンやセラミックなどを用いて、なくなった部位を修復します。また、歯を大きく損失した場合などは歯全体にかぶせるクラウンを使用することもあります。

治療法3:根本的な原因があるとき

虫歯や歯周病で歯自体がもろくなっている場合は、その治療をまず行いましょう。歯ぎしりや食いしばりが原因の場合は、マウスピースを用いて日常的に受ける歯へのダメージを減らします。

歯が欠けるトラブルがあった場合はまず歯科医院に

予想もしない事故が起きて歯が欠けてしまうことは、誰にでも起こりえます。そんなときは慌てずにまずは歯科医院を受診することをおすすめします。そして、今回紹介した方法で応急処置を行い、最善の対応に徹することを心がけましょう。

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