歯磨き粉の「1,500ppm」とは?子どもと大人で違う歯磨き粉の選び方~ちぃ先生の手記第48回~

2019.06.15 dhちぃ先生

そもそもフッ素の濃度にはどんな働きがあるのかチェック

歯磨き粉に含まれるフッ素濃度の数値が高いとどんなメリット&デメリットが?

メリット・デメリット



フッ素はみなさんご存知「虫歯を予防する」成分の1種です。WHOの報告によると「1,000ppm 以上のフッ化物イオン濃度では、500ppm 高くなるごとに 6%の虫歯予防効果の 上昇がみられる」ことがわかっています。しかし、フッ素の濃度が高ければ高いほどいいのかというと、そうではありません。
フッ化物は医薬品のため、過剰に摂取すると副作用や中毒症状が現れることがあります。致死量のフッ化物を摂取すると死に至る危険性もあるでしょう。急性中毒が現れるのは1kg体重あたり2mgと決められているため、体重が軽く、誤って飲み込みやすい幼児には特に注意が必要です。

子どもにおすすめな歯みがき粉タイプ

子どもの歯磨き粉



6歳未満のお子様には1,500ppmの歯みがき粉を使用するのは控えたほうがいいでしょう。前述したように、高濃度のフッ素による中毒症状を防ぐためです。お子様向けの歯みがき粉には、安全性を鑑みて900ppmのものが多い傾向にあります。
しかしながら、虫歯になりやすい年代でもあるため、フッ素入りの歯みがき粉をつけてのブラッシングが嫌いにならないように、甘い味のものを使ってみたりと、ご両親がブラッシングに気をつける必要があります。もし、うがいができる子であれば、フッ化物洗口もおすすめですよ。
6歳以降になり体重が増えてきたら、少しずつ高濃度の歯磨き粉に移行してみましょう。濃度もそうですが、大人用の歯みがき粉はミントフレーバーでからいタイプが多いので、いきなり変えるのではなく、少しずつ慣らすことをおすすめします。

それぞれに合った歯磨き粉選びを!

大人におすすめな歯みがき粉タイプ

歯磨き粉



大人になって歯茎が痩せたことによる歯根部の虫歯に1,500ppmの高濃度のフッ素入り歯みがき粉は効果的です。けれど、大人になると美容的観点で歯みがき粉を選ぶことが増えますよね。最も気になるのはコーヒーなどを飲むと歯が茶色くなるといった着色ではないでしょうか。その場合は歯の表面の着色汚れをケアするポリリン酸ナトリウムなどの成分が配合された歯みがき粉がおすすめですよ。
また、成人すると虫歯よりも歯周病のリスクが高くなります。歯周病は歯茎の隙間に細菌が入り込み、そこから歯肉が炎症してしまうので、抗炎症成分や殺菌作用のある歯みがき粉を選ぶようにしましょう。

歯磨き粉選び


❤ちぃ先生から一言❤家族みんなが自分の口内環境に合った歯みがき粉を選ぶことが大切です!丁寧にブラッシングしましょうね。

記事を読んで「もし大人用の歯みがき粉を子供が使ってしまったらどうしよう」と不安がよぎった読者もいるのでは?これは、フッ化物の中毒症状の計算式で考えることができます。学校でも試験で必ず出ていたので、ちょっと懐かしい気持ちです。例えば6歳(20kg)による1500ppm=1.5mg配合の歯みがき粉の中毒量は、約26.67となり26人分の歯みがき粉を1度に飲み込まないと中毒にならない計算となっています。ですので、もしお子様が大人用の歯みがき粉を飲んでしまっても安心してくださいね!

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【ライター紹介】 ちぃ先生

ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha・no・neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ~美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋~
・ちぃ先生の手記まとめPART2 ~美容テク&お口の健康講座~

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