海外の歯ブラシが大きいのはなぜ？海外のリアルな歯磨き事情～ちぃ先生の手記第111回～

おすすめ「海外の歯ブラシ」まとめ

なぜ海外の歯ブラシは大きいのか…メリット＆デメリット

海外旅行へ行くと、ドラッグストアなどで海外の製品を手にすることがありますよね。海外の歯ブラシを手に取ると、ヘッドが日本の歯ブラシよりも大きいことに気がつくはず。なんと海外の子ども用歯ブラシよりも、日本で販売しているコンパクトヘッドの歯ブラシのほうが小さいほどです。

欧米人の歯は日本人の歯よりも大きいです。歯科衛生士の資格を持つちぃの卒業研究によると、欧米人の歯のほうが数ミリほど大きく、エナメル質にも厚みがありました。しかし歯が大きくても小さい歯ブラシのほうが細かいところまで磨けますし、大きなヘッドの歯ブラシを使用する理由と言えるのでしょうか？

これには歯の大きさよりも、歯磨きの仕方に理由があると考えられます。現在歯科衛生士によるTBI（歯磨き指導）では、スクラビング法と呼ばれる小刻みに動かす方法を推奨しています。小刻みな動きに大きな歯ブラシは適していないため、必然的に日本ではコンパクトは歯ブラシが流通していると言えるでしょう。

歯磨き好きと口腔衛生への意識は比例する？

小さい歯ブラシは小回りがきいて、大きいブラシでは届きにくいところまで丁寧に磨きやすくなります。それなのに、なぜコンパクトな歯ブラシは海外で普及しなかったのでしょうか。

海外の人は口腔衛生への意識が低いのかというと、それはNOです。ライオンが2014年に発表した「日本・アメリカ・スウェーデン 3カ国のオーラルケア意識調査」によると、日本人がオーラルケア用品にかける金額はアメリカやスウェーデンの半額ほど。デンタルフロスの使用率も、アメリカやスウェーデンは50％以上なのに対し、日本はわずか19％。日本人は手軽にオーラルケアを行いたいという意識が強く、口腔衛生への意識は海外の人のほうが高めといえるかもしれません。

このようにアメリカやスウェーデンでは、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して細かい部分の清掃をしている場合が多いようです。歯ブラシは歯の表面を磨ければ良いという考えから、大きな歯ブラシが普及しているのかもしれませんね。

海外でおすすめの歯ブラシ

「日本の歯ブラシよりも良いものはあるの？」と、海外の歯ブラシが気になる方もいるのではないでしょうか。この項目では、歯科衛生士の資格を持つちぃが提案する海外の歯ブラシを紹介します！

・TePe（テペ）…予防歯科先進国であるスウェーデンの歯ブラシです。スウェーデンの大学をはじめ、世界中の歯科医師、歯科衛生士の協力のもと進歩し続けています。サイズはセレクト・セレクトコンパクト・セレクトミニの3種類で、日本人は使い慣れたサイズのセレクトコンパクトが人気。感触もソフトで使い心地に優れています。

・CURAPROX（クラプロックス）…スイスの歯ブラシです。見ているだけで元気になるようなカラフルなカラーリングが魅力的なブラシで、毛量が多く柔らかな感触から、歯周病の方のブラッシングに適しています。特に『CSスマート』は7600本も植毛されているので、歯ぐきのマッサージにも取り入れてみてくださいね。

・プロキシソフト（ソートン）…アメリカの歯ブラシで、特に人気なのはフロススレッダー・フィラメント・フロスと3つの役割を1本にまとめた『スーパーフロス』です。フロススレッダーは蝋などでコーティングされて歯間に入れやすくなっており、フィラメントはふさふさと柔らかいので歯肉に当たったときの痛みを軽減するメリットが期待できるそう。特にブリッジやインプラントの清掃に適していますが、歯間の虫歯を治療したあとでフロスが使えない方や、歯周病で歯肉から血が出やすい方にも提案します。

【ライター紹介】　ちぃ先生

歯科衛生士の有資格者でありながら多くの女性メディアで活躍中のライター・編集者。現在は女性向けの美容メディアやJJなどのファッション誌などに寄稿している。コスメコンシェルジュの資格を持ち、コスメ・美容への造詣が深い。また、サッカー好きが高じてアスリートフードマイスターの資格も取得している。美容と健康に高い関心と知識を持っており、Ha･no･neでは利用者のQOLの向上を目指し、ためになる情報を発信していきたいと意気込んでいる。

・ちぃ先生の手記まとめPART1 ～美容ライター兼歯科衛生士の知恵袋～
・ちぃ先生の手記まとめPART2 ～美容テク＆お口の健康講座～

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