乳歯の虫歯が将来の口内環境に影響⁉ 子供の虫歯予防が必須な理由とは
「乳歯は抜けるから虫歯になってもOK」は間違い
エナメル質が薄い乳歯は虫歯になりやすい
乳歯は永久歯に比べてもろく薄いため、虫歯になりやすく、いったん虫歯になると進行が速いと言われています。小さな子供は痛みを感じにくいため、親が気付かないあいだに虫歯が進行してしまうこともあります。
また、1本の歯が虫歯になると他の歯まで虫歯になってしまう可能性も。気付いた頃には我が子の歯がボロボロに……などということのないよう、普段からしっかり口腔内の状態をチェックしておきましょう。
乳歯の虫歯は永久歯の歯並びに影響することも
親御さんの中には「乳歯はどうせ抜けるのだから、虫歯になっても問題ない」と考えている人もいる模様。しかし乳歯の虫歯は、子供の発育や将来の口内環境に想像以上に大きな影響を及ぼします。
乳歯の虫歯が進行すると、食べ物をしっかり噛むことができなくなります。ものがよく噛めない状態が続くと、顎の正常な発育が妨げられたり、発音に影響が出たりすることも。
乳歯の虫歯が進行して歯が抜けてしまった場合、抜けた場所に向かって周囲の歯が寄ってくるため、永久歯が生えるスペースが奪われます。結果として永久歯が生えてくる方向がずれ、永久歯の歯並びが悪くなる可能性があるのです。
さらに、乳歯のときに虫歯が10本以上ある「口腔崩壊」の状態であった子供は、永久歯でも同じ状態になりやすいという研究結果も発表されています。このように、乳歯の虫歯がその子の将来にもたらす影響の大きさを考えれば、子供の頃のオーラルケアの重要性は決して軽視できないでしょう。
感染時期が早いほど菌が定着
そもそも、生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内には虫歯菌は存在しません。口うつしや箸、スプーンの共有などにより、唾液を介して周りの人から感染します。つまり、家族や周囲の大人が普段から注意していれば、子供が虫歯菌に感染するリスクを減少させることができるのです。
また、虫歯菌に感染する時期が早ければ早いほど、子供の口腔内には菌が定着しやすくなります。一方で「3歳までに虫歯がゼロだった子供は、永久歯になっても虫歯になりにくい」というデータもあり、早期からの虫歯予防の大切さがうかがい知れます。
乳歯の虫歯を予防するには？
では、乳歯が虫歯になるのを防ぐためにはどんなことに気を付ければいいのでしょうか。まず重要なのは、口うつしや食器の共用を避け、大人の虫歯菌を子供にうつさないこと。また、家族などの周りの大人が虫歯を治療し、口腔内の虫歯菌を減らしておくのも大切です。
ただ、仮に子供が虫歯菌に感染してしまっても、すぐに虫歯になるわけではありません。食後は口腔内が酸性に傾き虫歯ができやすい状態になりますが、歯磨きで食べかすや歯垢を取り除き、口腔内を中和する唾液の働きを促すことで、虫歯になるのを防ぐことができます。
しかし、頻繁にお菓子やジュースを飲み食いしていると唾液の中和が追い付かず、口腔内が酸性に傾き、虫歯ができやすい状態になってしまいます。「だらだら食い」させるのは避け、食事と食事の間隔をなるべく開けること、飲食の後は歯磨きすることを心がけましょう。
歯磨きはいつからスタートする？
歯が生え始める時期には個人差がありますが、生後11か月前後になると上下の前歯が2本ずつ生え始め、1歳前後になると上下の前歯が4本ずつ生える子が多いようです。1歳半頃になると、だいたい12本ぐらいの歯が生え揃います。
虫歯のリスクが上昇するのは歯の本数が増え、歯と歯の間に汚れが溜まりやすくなる時期ですが、歯磨きは上下の前歯が生え始めた頃にはスタートさせましょう。早い段階で歯ブラシに慣れさせ、「食べたら磨く」という意識をつけさせることが肝心です。
幼少期のオーラルケアが将来を左右する
子供のお口のトラブルは、放っておくとどんどん悪化するだけでなく、将来の口内環境にまで悪影響を及ぼす可能性があります。乳歯の虫歯ケアの重要性をきちんと理解し、これを機に歯磨きや食事の与え方など、毎日の生活習慣を見直しましょう。
【ライター紹介】 小晴（こはる）
出版社での美容雑誌編集、web制作会社でのライター業を経て、フリーライターとして活動中。「文章を通してひとの暮らしをよりよくする」をモットーに、美容からライフスタイルまで、女性向けを中心に幅広い分野の記事執筆を手がける。2018年より唐突にパーソナルカラーの世界にハマり、イエベメイクの研究に日々勤しんでいる。現在は化粧品検定1級の取得を目指し奮闘中。
レビュー記事ランキング
コラムカテゴリ
お悩み相談Q&A
